良質な中古車選び【第2回】ミッション(AT)点検編

前回のエンジンの点検編では、「前オーナーの乗り方がとても重要」といった話をさせていただきました。 やはり中古車のミッション状態の良し悪しも前オーナーの乗り方に関係してきます。

車のミッションはエンジンの次に重要かつ高額部品となり、故障すると30万円以上の修理になる場合が多いです。 ここでは現在展示されている中古車を見て前オーナーの乗り方を把握し、弱っている所、これから発生しそうな故障をお伝えしていきます。

 

ミッションを点検して中古車の良し悪しを見る

車はエンジンだけでは走れません。 車が走るまでの流れ エンジン回転をミッションに送る。 ミッションのギヤ比でスピードを調整し、ドライブシャフトに送る。 ドライブシャフトのジョイントを使ってデコボコ道や曲がる道でも力をタイヤまで送る。

簡単にいうとこんな感じになります。 良いミッションでなければエンジンの実力を十分に発揮できません。 それではミッションの点検方法を素人でもわかるように説明いたします。  

 

ミッションの場所

オートマチック

 

まず始めにミッションの場所をお伝えします。 基本的には車の前方のボンネットの中にあります。 ハイエースキャラバンエブリィアトレーなどの1BOX車は運転席と助手席のすぐ後ろの下にあります。

マニュアル車もオートマチック車も付いてる場所は同じで、形状も似ています。 中身の仕組みだけが違うと思っても大丈夫です。  

 

ミッションの回りを見る

 

ミッションを見回して、点検します。 といっても整備士でもなければ見てもわかりません。 車内の部品ではないので、汚れや錆はあって当然です。

ボロボロになるほど錆びていなければ大丈夫です。 ここではオイル漏れと水漏れを見ます。

ミッションの内部は機会部分(ギアなど)とミッションオイルと冷却水が入ってます。 オイルはミッションの下半分弱まで入ってます。

ミッション側面にオイルタンクがあり、そこに冷却水を流し、オイル温度を調整してます。 冷却水が漏れていてもミッションのダメージはそれほどありませんが、エンジンと同じ冷却水を使用しているので、エンジンを冷やすことが出来ず、エンジンに大きなダメージを残します。

ミッションからの水漏れはエンジンダメージが考えられるので、見送った方がいいでしょう。 オートマ車のオイルは一般的にミッションオイルではなく、オートマチックトランスミッションオイルと呼ばれています。

カーショップではミッションオイルはマニュアル車のオイルを示し、オートマチック車はオートマオイルやATFなどと呼びます。 ミッションのオイル漏れは主にドライブシャフトのオイルシールからのオイル漏れかドレンプラグからのオイル漏れの2種類です。

その2種類は安く直りますが、それ以外の漏れはミッションケースからの漏れの場合が多く、修理代が30万位の大修理です。 どちらの漏れも下から見なければ分かりませんが、実際にオイル漏れを見つけたところで、どこから漏れてるかは、整備士でなければ分かりません。

ミッションオイルは漏れていても、現状、異音や不具合がなければ、おそらく大丈夫でしょう。 エンジンと違ってミッションはそれほど高温、高負荷になる部品ではありません。

漏れがわかった場合はしっかり直してもらうことを条件にすれば購入しても大丈夫です。  

 

ミッションの音を聞く

エンジンをかけて走行して音を聞きます。 ミッションから出る音は内部ベアリングからの「ゴー」といった走行スピードによって変化する音か、CVTタイプのミッションにしかない金属ベルトの「ガチャガチャ」音です。

「ゴー」音 前方中央から音が聞こえてきます。 80km位の高速時によくでます。

ホイールベアリングと間違えやすく、この音がでた時、半分以上の確率でホイールベアリングの故障です。 ホイールベアリングは40km前後で音が大きくなる場合が多いです。

ホイールベアリングは3万円程度で直ります。   「ガチャガチャ」音 エンジンのチェーンや可変バルブの音と似ていますが、CVTの音は発進時に音がでます。

車庫から出るとき、信号待ちからのスタート、交差点を曲がった後の立ち上がり時などです。 どんな音にしても、ミッションから出てる音は重症です。

購入は見送った方が無難です。  

 

ミッションの振動

ミッションの振動はエンジン振動と違って大きく突き上げるような衝撃と音があるのが特徴です。

ガタガタ調子が悪い程度でしたらエンジン不調で、ビックリするほどの衝撃はミッションの異常です。

主なミッション振動の例

  • バックギアに入れて1秒後に追突されたような衝撃
  • 30km~40kmに加速中に車体下からの衝撃

 

ミッションオイル

ハスラーATオイル

 

ミッション(ATやCVT)のオイルはほとんどの車両が交換不要です。 その為、エンジンのようにオイルゲージといった棒がない車も多く、点検すら出来ません。

そのかわり、異常があるとスピードメーターの中に警告灯が点灯するので、警告灯のみで判断することになります。 オイル漏れがなく、警告灯が点灯していなければミッションオイルの状態は良好です。  

 

クーラント

クーラント

 

クーラントはミッションオイルの温度を調整していますが、クーラントが漏れていたり、劣化して正常に働いていないと最初にエンジンに影響が出ます。

クーラントの色は青、赤、緑、ピンクです。ミッションの下にこの色の液体が見えれば漏れている可能性があります。

漏れていてもミッションには影響がありませんが、エンジンにダメージが残る事がありますので、漏れが見えましたら危険な車です。やめておいた方がいいでしょう。

 

ミッションの滑り

ミッション最大の故障が滑りです。滑りは突然おこるわけではなく、必ず前触れがあります。ミッションの滑りと言うとクラッチの滑りと勘違いされる方もいると思いますので、ここではオートマの滑りと言います。

オートマの滑りで最も多い症状が変速時にスピードが落ちて空吹かしになってしまう事です。速度が30km前後に頻繁におこります。

エンジンが冷えている状態の時にしかならないのでしたらオートマオイル不足が考えられますのでオイル量を点検します。少なければオートマ周りを見て漏れを点検します。

適量で滑っているようでしたら、重大な故障です。しっかり整備してもらうなら購入してもいいですが、滑り改善の添加剤などで修理するような内容でしたらその車の購入はやめましょう。

 

ミッション(AT)点検まとめ

オートマチック

 

  • ミッション本体の漏れは重大な故障
  • 速度40km前後で出る音はミッション以外の音
  • 大きく突き上げる衝撃はミッション異常
  • オイル系の異常は警告灯で判断
  • 速度30km付近でエンジン回転が上がるとオートマが滑ってる

 

このページは素人でも簡易的に判断できる方法です。 皆さんもご存知の通り、正確なオートマ診断は整備工場で点検してもらわなければわかりません。

ですが、購入契約前にご自分の知ってる整備工場で点検してもらうわけにはいきません。 なので、このサイトで少しでも車の知識を身につけて、故障や不具合のリスクを減らしてください。

次回は安全な車には欠かせないブレーキの点検方法を紹介します。 契約前の必見情報です。参考にして下さい。  

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