スペイドのアイドリング不安定はスロットルボディの清掃で直す

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アイドリングが少しだけ不安定なスペイド。

大きく揺れたり、エンストしそうなほどではなく、時々、小さな「カックン」といった振動を感じる程度でした。

よくある回転数が大きく上下するハンチングではないので放置してもよかったのですが、エンジンがかかるまでの時間が長くなる時もあり、かかった時も「ブブブブ」といった具合に吹け上がらないといった微弱な不具合が重なったので、原因を調べてみました。

2NRエンジンを搭載している、カローラ、シエンタ、ポルテなどのエンジン不調の参考にもなると思いますので、是非見て下さい。

 

スペイドのエンジン不調は2つ

キュルキュルするがかかりが悪い

エンジンをかける時は、正常でしたら

キュルキュルキュル、ブーン

といった音がするはずです。

今回は

キュルキュルキュルキュルキュル、ブブブブブーン

といった音でした。

そしてエンジンがかかった後の1分ほど、少しだけ回転数が上下していました。

 

 

アイドリングが不安定になる

エンジンをかけるには少し多めにガソリンを噴射して、少し多めに空気を吸入させる必要があります。

エンジンがかかる瞬間を「初爆」といい、初爆は通常のエンジン回転よりパワーがいるので、燃料を増やしていますが、その影響でエンジン回転数も最初だけ高くなります。

 

正常ですとエンジンの作動は以下の流れになります。

  1. エンジンのかけ始めだけ1400rpmまで上がる
  2. 3分程度はエンジン回転数が1000rpm保持
  3. そこから1分毎に回転が約40rpm下がる
  4. 始動後10分ほど経過すると850rpmで安定する

今回は1番のかけ始めの回転数が低く、1400rpmになるまで3秒ほどかかりました。

そして2番の状態に落ち着くまでは回転が不安定な状態でした。

次項から、これらの不具合の原因を探して行きます。

 

 

 

エンジン警告灯はつく?故障コードは出る?

エンジン不調の時、最初に見るのがエンジン警告灯がついているかどうかです。

エンジン警告灯がついていれば車のエンジンコンピューターは異常個所を記憶しているので、どこが故障しているのかわかります。

 

現在、警告灯がついていなくても、過去についた事があるなら、過去の故障として故障コードが記憶されている事があるので、まずは診断機をつないでチェックしますが、このスペイドは警告灯はつかず、故障コードも記憶されていませんでした。

そうなるとエンジンについているセンサー数値を読み取って基準値から外れているセンサーを探すことで故障探求ができます。

 

かかりが悪い原因を消去法で進めていく

バッテリーが弱って電圧が低くなってくるとエンジンのかかりが悪くなります。

バッテリーが弱ってかかりが悪い時はセルモーターの回転がゆっくりになります。

今回はセルモーターの回転は早いのでバッテリーは大丈夫です。

その他に、エンジン始動に関係するところは下記6つです。

  1. ISCバルブ
  2. スパークプラグ
  3. イグニッションコイル
  4. プレッシャーレギュレーター
  5. インジェクター
  6. 燃料ポンプ

次はこの中でアイドリング不安定にもなる所を探します。

 

 

アイドリング不安定の原因を特定する

燃料ポンプは燃料を送るだけです。

燃料ポンプが故障するとエンジンがかからないので、アイドリング不安定以前の問題です。

 

プレッシャーレギュレーターも燃料ポンプの燃圧をエンジンまでかける部品なので、かかりが悪くなる原因の1つですがアイドリング不安定にはなりません。

そうなるとアイドリング不安定になる可能性のある部品は下記5つです。

  1. ISCバルブ&スロットルバルブ(スロットルボディ)
  2. スパークプラグ
  3. イグニッションコイル
  4. インジェクター

※1はスロットルボディに内臓されている

この中でスパークプラグ、イグニッションコイル、インジェクターの故障は「加速不良」「吹け上がらない」など走行中の不具合も発生する部品なので、残りのISCバルブとスロットルバルブが内臓されているスロットルボディの故障である可能性が1番高いです。

スロットルボディの故障か判断するためにスペイドのエンジンデータを見てみます。

 

 

エンジンのデータモニター

ISCバルブを掃除して以下の時の各センサーの数値をまとめました。

  • 冷間時の回転数1000rpm
  • 冷間時の回転数2500rpm
  • 暖気時の回転数1000rpm
  • 暖気時の回転数2500rpm

 

 

ISCバルブ開度

ISCバルブは空気量を調整しています。

ISCバルブの開度が大きければ吸入空気量が多く、小さければ吸入空気量がすくなくなります。

下の表でスロットルボディ清掃前後の数値をまとめました。

不具合発生中
回転数1000rpm2500rpm
冷間時6.96°7.46°
暖気時4.76°7.20°
清掃後
回転数1000rpm2500rpm
冷間時4.46°6.53°
暖気時3.31°6.50°

上の表を見ると清掃後はISCバルブの開度が少なくなっているので吸入空気量も少なくなっているはずです。

この数値を見るとISCバルブの汚れが原因で「開いてしまっていた」と推測できます。

次の吸入空気量もみてください。

 

吸入空気量

吸入空気量はエアクリーナー付近についているエアフローセンサーで測定しています。

内部の熱線の温度で抵抗値が変化し、抵抗値を計算して吸入空気量に換えています。

 

冷えるとその分、空気を吸い込んで冷やしたと考えて計算されています。

そのため、外気温なども相対的に見てコンピューターは判断します。

下の表はISCバルブ清掃前後の吸入空気量をまとめました。

不具合発生中
回転数1000rpm2500rpm
冷間時3.59g/s6.96g/s
暖気時1.96g/s5.20g/s
清掃後
回転数1000rpm2500rpm
冷間時2.92g/s7.54g/s
暖気時1.96g/s5.32g/s

暖気時は清掃前後で何も変化しませんでしたが、冷間時は清掃後の方が吸入空気量が減っています。

この数値から冷間時やエンジン始動直後だけ吸入空気量が多すぎて不具合が発生していた事がわかります。

この事から「エンジンのかかりが悪い原因」と「アイドリング不安定の原因」はスロットルボディの影響が大きく関係している事がわかりました。

最後にもう1つ、吸入空気量が多すぎる別の原因もありましたので見てください。

 

 

スロットルモーター開側のデューティー比

この数値でスロットルバルブのカーボン蓄積量を判断することができます。

通常、アイドリングは閉側のデューティー比を11%を基準として空気量を調整しますが、カーボンが蓄積してスロットルバルブの全閉位置がずれると初期開度(全閉時のスロットルバルブ角度)が変わるため開側のデューティー比を多くしてカーボンがない時と同じような隙間を作り、吸入する空気の質量も同じにしようとします。

 

しかし、カーボンでずれたスロットルバルブは隙間が発生するので、実際の開度より多くの吸入空気量になってしまいます。

不具合発生中
回転数1000rpm2500rpm
冷間時10%13%
暖気時0%12%
清掃後
回転数1000rpm2500rpm
冷間時0%10%
暖気時0%10%

清掃前の冷間時は開側デューティー比が10%でしたので、スロットルバルブを開くようにコンピューターが指示を出しています。

各センサーの数値をまとめて不具合の原因を解説します。

 

 

 

エンジンのかかりが悪くアイドリングが不安定な原因

エンジンがかかる瞬間のデータはないのでアイドリングのデータで不具合箇所を推定します。

 

スロットルバルブ開側デューティー比10%とカーボンの隙間が加わり、吸入空気量が増えすぎてガソリン量とのバランスが悪くなりエンジンのかかりも悪くなっていました。

かかりが悪いのはスロットルバルブのカーボン清掃で解消。

ISCバルブを清掃して開度が変わっても、暖気時はの吸入空気量が清掃前と変わりませんでした。

これもスロットルバルブのカーボン蓄積による隙間が関係していました。

 

アイドリング不安定は暖気途中にISCバルブが少しずつ閉じていかなければならないのが、汚れでコンピューターの指定より大きく閉じてしまったり、少ししか閉じないなど、動き不良です。

ISCバルブ清掃で解消されたのは「アイドリング不安定」

 

どちらもスロットルボディについている部品なので、スロットルボディに洗浄剤を吹けば汚れは取れます。

エンジンの調子が悪い時はとりあえずスロットルボディを清掃してみて下さい。

 

スロットルボディ清掃料金

洗浄剤1,500円
清掃料金2,000円
合計(修理費用)3,500円