パワーウィンドウが下がるけど上がらない原因【クロスビーなどスズキ車はスイッチを点検】

スペーシア、クロスビーなどスズキ車がたまたま立て続けにパワーウィンドウが閉まらない故障が発生しましたので原因を調べました。

パワーウィンドウが時々動かないのは故障診断が難しい修理の1つです。

パワーウィンドウには安全機能が付いているため、

  • 上がって下がる
  • 途中で止まる
  • 勝手に下がる
  • 上がるのが遅い(これは高確率でモーター故障

などの不具合もよくあります。

これらの判断はとても難しく、誤診で間違ったパーツを何個も交換してしまうと無駄な出費になりますので、修理に出す時は少しコツが必要です。

ここでは、自分の出費を抑える為に症状を正確に伝えるコツと、故障診断~修理方法~修理費用をご紹介します。

パワーウィンドウは動かないと車検も通らないのでいずれ修理が必要です。

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パワーウィンドウ修理に出す前に確認する4項目

パワーウィンドウがどのような故障が発生しているかご自分で把握しておくことも大事です。

整備士に正確に伝えることができれば間違った部品交換が減るのと、修理で車を預ける期間がすくなくなるので、レンタカーや代車を借りる費用などの節約にもなります。

現象を再現させる
  1. 動かないタイミングは?
  2. どのスイッチの時に動かない?
  3. 動き出す事はあるか?
  4. 動き出す時は、どういった時

このような質問に明確に答えられると修理が早く完成します。

今回の症状は以下です。

1、動かないタイミング

上げる操作の時だけ

 

2、動かないスイッチ

運転席と助手席の両方とも

 

3、動き出す事は?

ある。

 

4、どういった時に動く?

3秒ほど経過すると運転席、助手席の両方のスイッチ操作で動く

 

以上の事からパワーウインドウを上げる方向の回路に異常が発生しているのと、運転席スイッチも助手席スイッチも関連している回路が異常、と不具合が絞り込まれました。

 

 

パワーウィンドウが下がるけど上がらない原因

パワーウインドウの構成部品はヒューズ、配線、モーター、スイッチです。

この中で上がらない原因になる部品を回路図で見ると運転席メインスイッチと助手席サブスイッチ、モーターになります。

ヒューズ切れやアース不良は下がる方も動かなくなるので、今回の故障にはなりません。

パワーウィンドウが下がるけど上がらない場合、回路図で考えられるのは助手席スイッチからモーター、アース線、メインスイッチといった電流のどこかが故障しています。

まずは判断しやすいモーターを調べます。

 

 

助手席のパワーウィンドウモーターを点検

助手席の内張りを外してモーターの電源ソケットにサーキットテスターを繋ぎます。

この時、助手席のパワーウィンドウスイッチを内張りから外してカプラーと接続します。

カプラーを繋がないと回路が断線してパワーウィンドウは動きませんので注意して下さい。

 

 

パワーウィンドウモーターまで電圧がある?

運転席のメインスイッチを操作して電圧を見ます。

何度かパワーウィンドウが上がらない事がありましたが、上がらない時は電圧は0Vでした。

 

しかし、テスターのアースをボディに繋げると、動かない時でも12Vでした。

プラス側には12Vがあるということは、モーターから後ろのアース回路で不具合が発生していることになります。

 

 

助手席のパワーウィンドウスイッチが故障

パワーウィンドウを上げる回路でモーターから後ろは助手席スイッチとメインスイッチだけです。

スイッチをつないでいる茶色のアース線が断線している場合、メインスイッチでは下がりません。

 

下の画像は助手席スイッチの茶色アース線です。

運転席スイッチで上げる操作をしていますが、ここに電圧が発生しているのはここからメインスイッチまでの間が断線している証拠です。

断線していなければ下のように0V近くになります。

0.6Vになっていますが、アースまでにスイッチの接点抵抗などがあるため0Vにはなりません。

本当に0Vの場合はプラス側が断線かショートしています。

 

途中の配線が断線しているとパワーウィンドウを下げる事も出来ないのでメインスイッチの故障と考えられます。

 

 

 

途中で止まる原因は運転席パワーウィンドウスイッチの故障

回路図を見ると、「何もしない時」と「UP側をON」はDOWN側の接点は動いていません。

DOWN側がスイッチで下げる方向に操作しない限り常にアースに流れる回路が構成されています。

この接点が消耗気味で、時々上がらない症状が発生していました。

この部品だけは販売されていないので、運転席パワーウィンドウスイッチ本体を交換します。

 

 

パワーウィンドウ修理費用

運転席スイッチ18,000円
交換工賃3,500円
合計21,500円

完全に動かない状態でしたら故障診断は簡単です。

時々動かないといった故障はどこに不具合が起きているか判断するのが難しいので、診断料金がかかります。

 

診断料金がかからない場合は故障している可能性のある部品を順番に交換していくような修理です。

どちらが得かはわかりませんが、診断して原因がわかった方が予防や対策ができるので安心できると思います。

 

 

パワーウィンドウスイッチの交換方法

もしご自分で点検してみるようでしたら運転席の内張りを外す必要があります。

外すのは簡単で、ドアノブのビス1本とドアポケットのビス1本の計2本のビスを外せば後は内張り下側を手前に引けば上以外は外れます。

上側は上から被さっているので内張り下側が外れたら上にスライドさせれば外れます。

スイッチは裏からビス止めなので交換も簡単です。

下の画像はパワーウィンドウスイッチの裏側です。前後に2本のビスで止まっています。

交換作業は簡単なので是非チャレンジしてみて下さい。

 

 

 

パワーウィンドウが閉まらない時の応急処置

下がるけど上がらない時はスイッチの故障かモーターの故障のどちらかだと思って対処します。

完全に故障していると上がることはありませんが、動かない時は以下の作業で試してみて下さい。

スイッチ故障の場合

①オート機能があるスイッチの場合は、オートまで引き上げずに軽くスイッチを押し上げる作業を何度も繰り返して下さい。※下画像参照。スイッチの内部の接触不良の場合、時々動くことがあります。

左が軽く持ち上げて1度止まる位置です。右がもう一段上に引き上げています。左の操作方法でパワーウィンドウを動かして下さい。

 

②スイッチの上下操作を連続して動かします。カプラーの接触不良の場合、振動で接触し動くことがあります。

 

モーター故障の場合

①エンジンを1度切って1分~5分後にエンジンをかけてスイッチで上げてみて下さい。モーターの熱センサーを冷やす事で動く場合があります。

②ドアの内張を揺らしたり軽く叩いてみて下さい。モーターは整流子とブラシが接触して回転しています。常に接触しているため回転すると摩耗して隙間が生じます。ゆすると接点が接触して動く場合があります。

 

 

動かない時は以上の作業を試してみて下さい。

しかし、どちらもスイッチ操作する時はレバーを引きすぎないように注意して下さい。

 

オート操作ではなく、オート手前のスイッチ操作をした方が動くことが多いです。

試してみて下さい。

 

 

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