自動車の空気抵抗と転がり抵抗の計算式【加速度の影響を調べる】

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自動車走行の抵抗は主に空気抵抗と転がり抵抗の2つです。

この2つの抵抗を計算に入れて加速度を求めると実際の速度に近くなります。

 

加速度を求める時は駆動力から抵抗を引いて計算します。

 

 

自動車空気抵抗の計算式

空気抵抗の計算で必要なデータ

$$ 前面投影面積 A (m^2)$$

$$ 空気密度 ρ (kg/m^3)$$

$$ 抵抗係数 C_d $$

$$ 速度 v(m/s)$$

前面投影面積Aは車を真正面から見た時の面積なので縦×横です。

諸元の全高と全幅を見て下さい。

空気密度ρは気温や湿度によって変わりますが、他車と比較するのでしたら同じ空気密度として考えた方が簡単なので、基準値に近い1.225kg/m^3で計算します。

 

抵抗係数Cdは風洞実験の実測値が空気抵抗係数になるので、全車違います。

各メーカーの開発技術に関わるので、ほとんどが公開されていません。

ここでは公開されている車の空気抵抗係数から類似の形状を同じと考えて推測し0.25~0.45の値を計算に入れています。

 

諸元例: ハイゼットの全高と全幅

$$ Ra=\frac{1}{2} ρC_dAv^2$$

※ハイゼットの場合は形状はワンボックスを選んでください。

このグラフは坂道に強い軽自動車を計算ページの「ハイゼット data」を元に作りました。

このグラフでは時速60kmで空気抵抗が200Nを超えています。

 

ハイゼットの1速の駆動力が約5750Nなので60kmで3%の空気抵抗です。

この空気抵抗を加速度の計算に入れると時速70kmを越えたあたりから下がってきましたので、発進性能では空気抵抗は考えなくてもよさそうです。

グラフをクリックするとわかりますが、7秒後に空気抵抗が無い状態で40.13km/hで、空気抵抗を計算に入れると7秒後は38.25km/hでした。

このデータは各ギヤの加速度が一定、変速時ロス0など前提条件は多数ありますが、時速40km位では差はほとんど感じられません。

 

 

 

自動車の転がり抵抗の計算

転がり抵抗を算出するのに必要なデータ

$$  転がり抵抗係数 μ_r $$

$$  荷重 m (kg)$$

$$  重力加速度 g(N) $$

転がり抵抗係数は路面の状態とタイヤが回転した時の変形に関係します。ここではアスファルト路面の抵抗値0.01で計算します。

荷重は車両の総重量です。重力加速度は9.8Nです。

$$ Fr= μ_r\cdot mg $$

上のグラフはハイゼットの5%勾配抵抗に転がり抵抗を加えたものです。

比較するためにどのグラフも変速タイミングを以下に統一しました。

1速 0s~1.11s

2速 1.12s~2.56s

3速 2.57s~5.26s

4速 5.27s~

グラフを見ると時速40km時点では空気抵抗よりも転がり抵抗の方が抵抗の影響を大きく受けているのがわかります。

下のシミュレーションは赤が加速度2.0m/s^2で青がハイゼット勾配5%、転がり抵抗133Nです。実際に動かしてみて下さい。

 

 

シミュレーション(転がり抵抗あり)

赤は燃費がいいとされるスロースタートの発進速度です。ゆっくり走行のトラックのスタートだと思って下さい。

 

加速、速度の関係は最大トルク、最高速でギヤチェンジした時の加速度、速度、距離を参考にして下さい。

 

 

 

空気抵抗+転がり抵抗+勾配5%抵抗を合わせたグラフ

走行抵抗を考える場合、この3つが重要です。

各ギヤでの加速度は下記計算式で出します。

Fは駆動力です。sinΘは勾配角度です。

詳しくは勾配5%を走る速度を計算をご覧ください。

$$a= \frac{F-Ra-Frr}{m+ Mp+Ml}-g\cdot sinΘ $$

 

 

 

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