Nバンのセルモーター交換費用【エンジンがかからない時の点検方法】

今回修理したNバンは、エンジンをかけようと思ってエンジンスタートキーを回すと、息継ぎするような感覚でした。

症状は

「キュル、 、 、 、 キュルキュル、ブーン」

という、エンジンがかかるまで、間があります。

1度「キュル」といったきりかからない事もありました。

原因と修理費用を調べたのでご紹介します。

 

 

バッテリー上がりの症状と同じNバン

「キュルキュル」音はセルモーターの音です。

この音がゆっくりですとバッテリー上がりの可能性があります。

その状態でバッテリーを交換せずに乗り続けるとガガガという音に代わり、完全にバッテリーが上がってしまいます。

ガガガ音でエンジンがかからない原因も参考に見てください。

 

バッテリーが弱り始めるとセルモーターが息継ぎするような音がするので、まずはバッテリーを点検します。

通常電圧もセルモーターを回す時の始動電圧も正常でした。

 

そうなると、考えれるのは3つです。

  1. エンジンキースイッチ
  2. メインヒューズとメインリレー
  3. セルモーターリレー
  4. セルモーター

他にも関係する箇所はありますが、この症状でしたら、ほとんどこの3つのどれかの故障だと思います。

 

 

 

Nバンはセルモーターの電圧を見れば全部わかる

セルモーターは2つの電源回路とアースからなっています。

  1. B端子電圧
  2. S端子電圧
  3. ボディアース

この3つを点検すれば、先ほどのエンジンキースイッチ、セルモーターリレー、セルモーターのどれが故障しているかわかります。

 

 

Nバンのセルモーターはアイドリングストップ仕様

スターターモーターとも呼ばれ、その名前の通り、エンジンをスタートさせるためだけの部品です。

セルモーターはエンジンの最後部に装着してエンジンと直結しているフライホイールというギヤを回す仕事をします。

 

フライホイールを回すと同時にエンジンはガソリンを噴射して火花を発生させ、エンジンを動かします。

動いてないエンジンにガソリンを噴射しても動き出さないので、最初だけ強制的に動かす為に、セルモーターでフライホイールを回します。

 

エンジンがかかればセルモーターのギヤはフライホイールから分離して仕事は終わります。

Nバンはアイドリングストップがついているので、停車して発進するつどセルモーターを使ってエンジンをかけるのでアイドリングストップ車はセルモーターの負担が大きいです。

 

 

セルモーターのアース点検

最初にセルモーターのボディとエンジンボディの導通を測定します。

導通があればアースは正常です。

導通がなければセルモーターを取り付けしているボルトの錆や締め付けを確認し、錆落としや絞め直して再確認します。

それでもアース不良でしたらセルモーターが故障しています。

 

セルモーターB端子電圧を点検

テスターのプラスをB端子、マイナスをセルモーターのボディにして測定します。

12Vが発生していれば、メインヒューズとメインリレーは正常です。

0Vでしたら断線を点検します。

9Vなど変わった電圧の場合、ショート、コネクターの錆、など目視で異常がわかる場合が多いです。

 

B端子に12Vが発生していれば次はS端子の電圧を見ます。

 

 

セルモーターS端子電圧を点検

S端子に12Vが発生するとプランジャを押し出し、セルモーターのギヤをフライホイールのギヤに噛み合わせます。

その時にセルモーターリレーをONにするので、一瞬遅れてセルモーターのギヤを回転させます。

そうなるとエンジンのフライホイールも回転するのでエンジンがかかります。

ですので、S端子電圧の点検はエンジンスタートスイッチをONにしている最中に測定します。

12Vが発生していれば、エンジンキースイッチは正常です。

今までの電圧点検ですべて正常でしたらセルモーターの故障で間違いありません。

 

今回のNバンはセルモーターにかかる電圧とアースは正常でしたのでセルモーター本体の故障ということになります。

 

 

セルモーターの交換

交換費用

セルモーター25,000円
交換工賃10,000円
合計35,000円

セルモーターの価格はリビルト価格です。

新品ですと5万円前後ですが、リビルトは再生品なので安いですが部品の弱い箇所を強化してあるので安心して利用することができます。

 

 

セルモーターの交換方法

Nバンのセルモーター交換は車の下から作業しますが、最初にバッテリーのマイナス端子を外してから車の下に入って下さい。

下からエンジンを見ると下の画像ようにエンジンの真横についています。

場所はドライブシャフトの上で、オルタネータの裏についています。

14mmの2本のボルトで固定されています。

その他には、B端子に繋がる配線が12mmのナットで固定され、S端子のカプラーがささります。

 

それらすべて外すとセルモーターが外れますが、最初に邪魔になる回りの配線を外して下さい。

下の画像のピンク丸マークの位置にセルモーターを固定しているボルトがあります。

 

ボルトの上側は交換しやすいように長くなっています。※下図参照。

交換後はセルモーターが勢い良くキュルキュルといった音が出てからエンジンがかかりました。

バッテリーが弱っている症状とセルモーターが弱っている症状はとても似ています。

バッテリーは何もしていない時の電圧も大事ですが、セルモーターを回す時の電圧がとても重要です。

バッテリー上がりと充電回復データのページも参考にして下さい。

 

セルモーターを交換する前にバッテリーを点検して問題がないことを確認して下さい。

 

 

 

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