エンジンチェックランプのついたプレマシーの修理をしました。
走行していても特に何も不具合を感じませんがチェックランプ(警告灯)がついているという事はどこかに異常があるはずです。
対象車両:マツダ プレマシー
チェックランプは診断機を使えばどこが故障かわかるので、見てみると「可変吸気制御系統 低入力」と出ました。
この部品の点検と修理費用を調べましたのでご紹介します。
可変吸気ソレノイドバルブの交換費用
可変吸気ソレノイドバルブ | 3,000円 |
交換工賃 | 1,500円 |
診断料金 | 2,500円 |
合計 | 7,000円 |
このソレノイドの故障は「とりあえず診断機でチェックランプだけ消す」といった事はできません。
部品を交換後に診断機を使って消しますが、エンジンの故障コードを消去するだけでは消えません。
オートマにも故障コードが残るのでオートマも故障コードを消去してリセットする必要があるので注意して下さい。
気になる方は下の故障診断方法も見て下さい。
シャッターバルブと可変吸気の仕組み
可変吸気バルブを整備マニュアルで確認したところ、吸入空気の逆流を変化させる部品だと解説してありました。
エンジンに空気を入れる時に吸気バルブは開きますが、そのあと爆発させるので閉じなければなりません。
閉じた時に空気は止められ、空気が跳ね返り逆流します。
インテークマニホールドまで逆流する空気の距離を変化させて低速、中速、高速の3つの区間で最大のトルクが得られるようにしています。
低速ではゆっくり長く空気を送り、高速では早く短く空気を送ることで最大のトルクを出すことができます。
その距離を調整するのがシャッターバルブです。
シャッターバルブはインテークマニホールドについており、可変吸気ソレノイドバルブを使って吸気バルブが閉じたタイミングでシャッターバルブを動かします。
可変吸気ソレノイドバルブに電流を流すと内部弁が開いてエンジンの負圧を利用してシャッターバルブを閉じる仕組みです。
下の画像はソレノイドバルブのバキュームホースを外したものです。
2本のホースがありますが、片側はエンジンでもう片側はシャッターバルブに繋がっています。
下の画像のバキュームホースが繋がっている部品がシャッターバルブです。
なので、可変吸気ソレノイドバルブとシャッターバルブはどちらか片方が故障しても作動しません。
セットで作動すると思って下さい。
「可変吸気制御系統 低入力」とは電圧が基準より低いという警告です。
電圧が低い理由は内部コイルの断線か、ソレノイドからコンピューター間の断線です。
どちらの故障かはソレノイドバルブ本体点検をすれば判断できます。
プレマシーのチェックランプ故障診断
吸気ソレノイドバルブの抵抗を計ります。
抵抗が∞です。内部コイルが断線しているようです。
車両側ソケットの電圧は12Vでしたので、車両側の断線はなさそうです。
参考になると思いますので、コイルを交換して抵抗を測定してみました。
新品のソレノイドの抵抗は27.9Ωです。
コイルが断線していなければこのように抵抗があります。
ソレノイドバルブの断線(低入力)といった故障コードが出ていて、ソレノイドバルブの単体点検(抵抗)でソレノイドバルブ本体の故障が判明しました。
チェックランプが点灯したまま乗る事はできますが、ソレノイドバルブは低速、高速で作動を切り替えているのでオートマのギヤ比も関係してきます。
通常、4速オートマですが、制御されて3速までしかシフトアップさせない時があるので注意して下さい。
3速で乗り続けると燃費が悪化します。