E12のニッサン ノートのチェックランプ(エンジン警告灯)が点灯しました。
乗っていても「加速が悪い」とか「アイドリング不安定」のような異常は感じられないので普通に乗れてしまいますが、チェックランプがついていると不安になってしまうと思います。
※チェックランプは車検も通りません。
今回、このノートを修理しましたので、チェックランプ点灯の原因と修理費用をご紹介します。
エンストしてしまう時はノートの異音とエンストのページをご覧下さい。
目次
E12ノートのチェックランプはEGRバルブが原因
チェックランプがついている時は故障コードが車のコンピューターに記録されているので診断機でどこが故障しているのかすぐにわかります。
下の画像は診断結果です。
P0400 EGRシステムと表示されていますが、P0400が表示される条件は「EGRバルブ固着」です。
主に排気ガスのカーボンの詰まりでバルブが動かなくなり、固着と診断されるので、まず最初清掃するのが一般的です。
なぜカーボン詰まるのか?は次をご覧下さい。
EGRバルブとは
排気ガス中には燃え残ったガソリンも少量含まれていますが、燃焼しきれなかった排気ガスはCO(カーボン)やHCが含まれているので環境によくありません。
EGRバルブは排気ガス(カーボン)をもう一度、燃料室に送り完全燃焼させて排気ガスをH2OやCO2にする装置です。
排気ガスはマフラーから外気に放出される通路と、エキゾーストマニホールドからパイプを経由してシリンダーヘッドセットに入り、EGRを通過してインテークマニホールドに入る通路があります。
インテークマニホールドに入るとエンジンの燃焼室に送られ、ガソリンと混ざって燃焼します。
EGRバルブからインテークマニホールドに排気ガスが入るとエンジンの吸入空気量が増えてしまいます。
空気量が増えるとガソリン量と空気のバランスが合わなくなり、エンジン不調になっしまうのでエンジン回転に影響のない高速走行など高回転閾でのみEGRを開く仕組みになっています。
という事は高速以外はEGRバルブは閉じているのでカーボンが通り抜け出来ず蓄積します。
蓄積すればEGRはカーボンで詰まってしまいます。
下記イラストは正常なEGR作動です。
アイドリング中カーボンはEGRで止められています。
エンジン高速回転中
高回転ではカーボンがもう一度燃焼して無害な水と二酸化炭素にしています。
上のイラストではインマニより右側に空気量センサーが付いており、そこで空気量を測定しています。
ですのでEGRは空気量センサーを通過しません。
空気量センサーで測定された空気量によって燃料噴射量を決めるので、空気量センサーを通過しないEGRからの空気は空燃比のバランスを崩しエンジン不調をおこします。
ノートのEGRバルブ清掃費用
EGR脱着 | 7,000円 |
洗浄剤 | 1,000円 |
合計 | 8,000円 |
エアークリーナーなどを外さなければならないので、清掃工賃は安くありません。
上の画像はエアクリーナーが付いていますが、その下にEGRバルブがあります。
このように順番に外していきます。
エアクリーナーを外すと中央にEGRバルブが見えます。上の画像の赤丸部分です。
ボルト2本で固定されているので取り外しは簡単ですが清掃しても直らないケースはよくあります。
自分で作業できるなら清掃でもいいですが、整備工場にお願いするのでしたら交換見積もりと清掃を比較して考えた方がいいと思います。
EGRを取り外すとカーボンが詰まっています。
EGRバルブの内部もカーボンがたくさん入っています。これらを洗浄液とウエスで丁寧に取り除くとバルブの動きが良くなります。
EGRバルブ不良の症状
今回のノートはEGRバルブが故障していましたが、モーターの作動電圧が基準値を超えてしまい、EGRが動かない瞬間があるといった症状が1週間に1度位発生する故障でした。
ですので不調には気がつきませんが、開いたまま固着する瞬間が多くなれば誰でも異常に気がつくはずです。
どのような症状になるかご紹介します。
アイドリング不調と息継ぎが発生する
EGRは吸入空気量を増やすので、アイドリングや低速走行中は開きません。
ですので、高回転させてEGRが開いた後、すぐにEGRが閉じるのが正常です。
開いたままアイドリング状態なると、エンジンがガタガタ振動してエンストしそうになります。
アクセルを踏むと息継ぎのような症状が出ます。
逆にスピードが上がってしまえば普通走行できるのもEGR故障の特徴です。
チェックランプ、警告灯が点灯する
EGRはステップモーターでなので、90度、45度、30度など開度を調整するのに適しています。
回転するモーターと違うので動く時はカチカチ音がします。
段階的にコイルに電流を流して回転させて開度を決めますが、作動時のコイル電圧が閾値を越えると動いていないとエンジンコンピューターが判定し、チェックランプを点灯させます。
EGRの動きが異常になるとコイルの電圧も変わるので、そこで故障とみなします。
EGRでチェックランプ点灯させるには、以下の状況を2回繰り返し、2回とも異常が現れた時にチェックランプがつきます。
1サイクル エンジン始動、15分後エンジンOFF、10秒以上経過後エンジンON |
この1サイクルを1トリップといいますが、2トリップ続けて異常が出ないとチェックランプはつきません。
その為、EGRの誤作動でチェックランプが点灯する事はなく、チェックランプを消去するだけでは再点灯するので修理が必要です。
エンジン不調にならないEGR故障もある
EGRバルブは基本的に閉じたままです。
高回転の時だけ開きますが、開かなくてもエンジン不調にはなりません。
エンジン不調なるのはEGRバルブが開いたままになる時だけです。
開いたままになる時は清掃で直る時があります。
しかし、1ヶ月後にチェックランプが再点灯するといったケースが多く、清掃では完全に直らないと思っていた方がいいです。
ノートのEGRバルブの交換費用
診断料 | 3,000円 |
EGRバルブ | 16,000円 |
交換工賃 | 7,000円 |
合計 | 26,000円 |
左が新品です。
カーボンがないとバルブの奥までよく見えます。
EGRバルブの交換時期は?
チェックランプがついてしまうと清掃だけでは再発する可能性があるので交換することを考えておいた方がいいです。
チェックランプが点く前でしたら清掃することでEGRの故障を防ぐことができます。
交換時期は10万km前後ですが、10万kmになる前に1度でも清掃しておけば交換時期は長くなります。
7万kmを超えた時点で、車検の時に清掃を頼むとEGRの寿命を延ばすことができます。
安い車検は「車検人気ランキング」のページを参考にして下さい。