エンジンからヒューンという大きな音がしてエンストしました。
その後、エンジンがかかってもガクガクして止まってしまいます。
アクセルを踏むとエンストはしませんが吹け上がりも悪く時々ヒューンという大きな音がします。
H25 ニッサン ノート E12 10万km
異音とエンストの原因は「スーパーチャージャーダクトの破損」でした。
交換費用と破損でエンストする理由を調べましたのでご紹介します。
ゴー音がでている場合はノートのハブベアリング交換費用のページを参考にして下さい。
目次
スーパーチャージャーダクト交換費用
スーパーチャージャーダクト | 14,000円 |
交換費用 | 7,000円 |
コンピューターリセット | 3,000円 |
合計 | 24,000円 |
上記の他に故障診断料金が発生する場合もあるので注意して下さい。
今回はスーパーチャージャーダクトの破損が原因でエンストと異音がしていましたが、他にもエンストする原因があると修理費用が高くなってしまいます。
正確な修理になるように故障診断方法や症例もご紹介します。
エンジンが吹け上がらない P0171リーン異常
最初はスーパーチャージャーダクトだとは思わなかったのでスキャンツールで故障コードを見て故障診断をしました。
「P0171」のリーン異常が出ていました。
リーン異常とは排気ガス中の酸素量が基準以上という事です。
排気ガスは炭化水素系のガソリンが燃焼(酸化)したガスなので酸素は少ないです。
しかしこのノートは酸素が多いと診断されていました。
これはマフラーついているO2センサで測定し、コンピュータに送った結果です。
リーン異常でエンジンが吹け上がらないのはよくありますが、エンストするほどのリーン異常はなにか?予想をたててみました。
O2センサーがリーンと判断した理由
エンジンはガソリンと空気を混合させて火をつけて燃焼させ動かしています。
その吸入空気量が多いと空気中の酸素が燃焼しきれずにマフラーに流れていきます。
上図だと青丸の流れが空気量。この量が多いとエンジンで燃えきらずにO2センサまで流れて酸素が検出されます。
以上のことから吸入空気量を多くしている部品が原因で酸素が多くなるのがわかります。
ノートがエンストする吸入空気量
エンジンは吸入空気量が適切でないとエンストしてしまいます。
アイドリング時の吸入空気量はISCバルブで自動調整されています。
ノートはスロットルバルブがISCバルブも兼ねていました。
アクセルを踏むとスロットルバルブを開いて吸入空気量を強制的に増やすのでエンジン回転数が上がります。
このノートはアイドリングでアクセルを踏まないとエンストしてしまうのでISCバルブの故障を疑って、スキャンツールで吸入空気量とスロットルバルブの数値で開き具合が合っているかチェックしてみました。
吸入空気量正常値 | 2.68g/s |
測定値 | 4.12g/s |
この空気量の測定値だと、エンジン回転数は2500rpm以上になるはずです。
スロットルバルブ正常値 | 0.77V |
測定値 | 0.90V |
スロットルバルブの電圧を見ると若干開いているのがわかりますが、アイドリングを保つためにスロットルバルブは正常より少し開いているようです。
それでもこの吸入空気量は正常値の倍近くなので多すぎます。
ガソリン噴射量も見てみました。
燃料噴射量正常値 | 2.9ms |
測定値 | 3.9mns |
吸入空気量も多いですが、それに伴って燃料噴射量も多いので通常でしたらリーン気味にはなりますが、回転数が上がりエンストまではしません。
そうなりますと吸入空気センサ(エアフローセンサ)が装着されている箇所とは別の箇所から更に空気が入ってきていると考えられます。
スーパーチャージャーダクトが破損
- アクセルを踏むとヒューンという大きな音
- 吸入空気量と燃料が多いが回転が低くリーン異常
空気量の数値もそうですが、この2つからも空気の吸い込み異常が予想できます。
そして大きな音がするとなると高い空気圧力を出すスーパーチャージャー付近を調べるのが通常の流れになります。
スーパーチャージャーを見るとスーパーチャージャーダクトが切れていました。
切れていた場所はエアークリーナーの左下。
画像でいうとブレーキフルードタンクの右下辺りを見ると切れているのがわかると思います。
上は取り外した画像です。
このようにスーパーチャージャー出口側(出力側)で切れていました。
以上が故障診断方法です。
次はスーパーチャージャーダクトの交換方法を解説いたします。
スーパーチャージャーダクト交換方法
ダクト本体は10mmのボルトでタイミングチェーンカバーに固定されています。(ボルトはクランクプーリー左下1つのみ)
上側のエアークリーナー下はピンで止まっているので、ピンをずらすだけでホースが抜けます。ピンのずらす位置は下の画像を参考にして下さい。
中央のピンもずらして抜けばダクトが短く分解できて、交換が簡単になります。
下側はゴムホースがついているので8mmのボルトを緩めてホースからダクトを抜き取ります。
以上を取り外すだけで、スペースは狭いですがダクトを上下、左右、前後など色々な位置にずらせば、外れます。
取付もダクトを2分割してタイミングチェーンの横を下から上に移動させれば簡単に付きます。
以上でノートのエンスト修理は終了です。
E12ノートは他にもよくある故障があります。気になる方は以下のページもご覧になってください。