プリウスのハイブリッドバッテリーの寿命を伸ばす方法と交換費用

プリウスのハイブリッドバッテリーがあとどれくらいの寿命かわかりますか?といった質問が多かったので、ハイブリッドバッテリーの特徴を調べて寿命を判定してみました。

寿命以外にも下記3つも調べてましたので、ご紹介します。

  1. 異常警告灯の点灯は走れるのか?
  2. 異常警告灯の消し方
  3. バッテリー寿命の伸ばし方
  4. ハイブリッドバッテリーの交換費用

今回の対象車両:プリウス ZVW30 20万km 

 

 

ハイブリッド異常警告灯は寿命が近い証拠

メーターにエンジン警告灯とビックリマークの警告灯が点灯するとハイブリッドバッテリーの寿命の可能性が高いです。

診断器をつないでP0A80が表示されていれば、ハイブリッドバッテリーの寿命が近いのは確かですが、バッテリーブロック電圧によってはまだ数年乗れる場合もあります。

ハイブリッドバッテリーの点検は、異常警告灯を消去して、10分以上走行し、再度、警告灯が点灯するか確かめるのが基本点検になっています。

警告灯が点灯した場合は、点灯時のデーターを保存してから1度消去してください。

 

 

 

ハイブリッド異常警告灯の消し方

補機バッテリーのマイナス端子を外して10分以上放置します。

補機バッテリーはトランクルームの右下にあります。

 

トランクフロアをめくり、ベースを持ち上げると簡単に見ることができます。

端子を外して10分放置した後、接続し10分以上走行して警告灯が点灯するか確認します。

 

診断機を使っても消すことはできますが、バッテリーを外した方が簡単です。

消去後10分以上走行してすぐに警告灯が再点灯する場合はハイブリッドバッテリーが完全に故障しているので、交換しなければ消すことはできません。

 

交換は高額ですが、プリウスはハイブリッドバッテリーが故障しても高く売れます。

普通に下取り査定すると査定額0円になる場合でも買取比較すると高く売れるケースが多々あるのでカーセンサー一括査定の体験談も見て売却も検討してみて下さい。

 

 

 

プリウスの警告灯がついたまま走るのは?

プリウスは駆動モーター(モーター2)と発電モーター(モーター1)の2個を使っています。

どちらもミッションの中に入っていますが、警告灯が点灯すると駆動モーター(モーター2)は動きません。

 

ですので、「ready on」の時はエンジンがずっとかかった状態になります。

そのまま乗り続けることができますが、ハイブリッド異常ですと、モーター2は駆動しないままです。

モーター1は発電させハイブリッドバッテリーを充電するモーターです。

 

モーター1はエンジンを始動させるモーターでもあるのでセルモーターとオルタネーターの両方の役割をしています。

モーター1はハイブリッドバッテリーが異常でも作動します。

 

モーター2は低速で車を動かす事ができますが、急加速などのパワーは長く続きません。

ですので発進時などパワーが必要な時はエンジンのサポートとしてモーター2を駆動して走りを良くしています。

ハイブリッドバッテリーが異常ですと上のイラストのようにモーター2を動かす事ができないので「加速しない」や「坂道発進が遅い」など、微小な不具合が発生します。

通常は下のエンジン駆動と上のモーター2駆動を同時に作動させてパワーアップさせています。

しかし、その状態で数ヵ月乗り続けた方もいるので、ハイブリッドバッテリーのトラブルだけでしたらガソリン自動車として乗る事もできるようです。

しかし、警告灯がついていると車検は通りません。

 

車検とハイブリッドバッテリー交換の両方では費用が20万円以上かかってしまうので、せめて車検は安いお店を選ぶといいと思います。

安くて良いお店は車検安いランキングを参考にして下さい。

 

 

 

ハイブリッドバッテリーの寿命の前兆

プリウスのハイブリッドバッテリーは1.2Vのセルが6個で1つのモジュールになっています。

全部で28モジュールで構成され全体で201.6Vになります。

 

そのモジュール2つで1組のバッテリーブロックとして分けてボルテージセンサーが管理しています。

0ブロック~13ブロックの全部で14ブロックの温度、電流、電圧、抵抗などを測定し、基準値から外れると異常警告灯を点灯させてお知らせします。

上のグラフが今回のプリウスの警告灯が表示された時の電池ブロックの電圧です。

電池ブロック7と電池ブロック8の電圧差が1.59Vでした。

今回はこのように隣接するバッテリーブロックの電圧差が1V以上になったので異常と判断されました。

 

 

異常警告灯は始動後10分前後で発生する

劣化してきているハイブリッドバッテリーは、バッテリー電圧が低い時に電圧差が大きくなりやすいです。

劣化すると放電スピードが早くなる為、一定以上の電流を消費すると電圧降下が加速します。

 

自己放電も早くなるので、特に1日置いた翌日の朝に警告灯が点灯しやすいです。

劣化したセルは容量が減るので充電と放電の両方のスピードが上がります。

 

ですので満充電に達する時間が早く、放電する時間も早いといった症状が現れます。

1日放置した後は弱っているセルの放電が多いので、異常警告灯が点灯しやすくなります。

 

異常警告灯が点灯する時の電圧のグラフも見ると寿命がわかりやすいです。

 

 

交換時期の目安(グラフ)

隣接する電池ブロックの電圧差が1V以上になると警告灯を点灯させます。

ですが温度や電流、抵抗、電圧など様々な悪要因が重なって電圧差が発生する誤作動の場合もあるので、A回路とB回路の電圧差も確認して正確に寿命を判断します。

 

下のグラフは警告灯が点灯した時の電圧ですが電池ブロック7-6を見て下さい。

7-6は「7引く6」と読みます。A回路7の電圧からB回路6の電圧を引いて0.3V以上あるとセルが劣化していると判断します。

電池ブロック7-6をみると0.7V位あるのがわかると思います。

これは異常ですが、先ほども伝えたように誤作動も考えられるので、警告灯を消去してから再度バッテリー電圧を測定します。

 

下はリセット後にハイブリッドバッテリーを十分に充電した時のグラフです。

今度は逆に電池ブロック7が最大になっています。

これほど放電時と充電時の差が大きいのは電池ブロック7のセルが劣化している事を表していますが、この後、もう一度SOC40%程度まで放電させてグラフを見てみます。

放電(SOC40%以下)しすぎると充電が始まってしまいます。

充電が始まると弱っているセルの電圧がすぐに上昇してしまうので正確に判断できなくなります。

 

ですのでSOC40%以下にならないように注意します。

この放電状態でも隣接するA回路とB回路の差は0.3V以上のブロックはありませんでした。

 

そうなるとまだ寿命ではなく、ハイブリッドバッテリーは使えそうです。

もう1つ寿命の判断に使う電池ブロックの最大最小を見てみます。

 

 

 

HVバッテリーの劣化判定

ハイブリッドバッテリの劣化判定は先ほどご紹介した

  1. 隣接する電圧の差が1V以上
  2. 隣接するA回路とB回路の電圧の差が0.3V以上

 

この2つですが、もう1つ劣化判定に使う事ができる電圧があります。

それは充電時と放電時の電圧差です。

 

下のグラフの電池ブロック6を見下さい。

このように充電後に電圧がどのブロックより高く、放電時はどのブロックより低い箇所はセルが劣化しています。

 

以上の結果を組み合わせて判断すると寿命がより正確にわかります。

以下に劣化判定をまとめます。

  1. 電池ブロック6と隣接している5と6の電圧差が1V以上
  2. 電池ブロック6B回路と隣接しているA回路(7)の電圧差0.3V以上
  3. 最大電圧ブロックと最小電圧ブロックが同じ

このを3つを満充電時と放電時の両方でチェックすれば寿命か判断できます。

 

今回は電池ブロック6が劣化していましたが、まだ交換時期ではなさそうでした。

今のうちに対策をすれば寿命を延ばすことができます。

 

 

 

バッテリー寿命を伸ばすには燃費を悪化させる乗り方をする

バッテリーは充電量が多くても少なくても負担が大きくなります。

ですので、トヨタ車はハイブリッドコンピューターでSOCを常に40%~60%の範囲内に充電制御しています。

 

バッテリーが劣化してくると満充電が早くなりますが、放電も早くなると先ほど伝えましたが、プリウスはハイブリッドコントローラーによって満充電になるとすぐに放電に切り替えるので充電過多の心配はありません。

逆に放電に注意しなければいけません。

 

バッテリーの放電を減らすにはこまめに充電する必要があります。

プリウスの充電は減速時の回生ブレーキ充電とエンジンでモーター1を回して発電するオルタネーター充電の2種類です。

 

この2つのうち、オルタネーター充電は乗り方次第で増やすことができます。

 

 

オルタネーター充電の増やし方

  1. アクセルの踏み込み量を増やす
  2. ヒーターをONにする

この2つを行うだけでオルタネーターの充電を増やすことができます。

1,アクセル開度を増やすとエンジンがかかり、エンジンがかかるとモーター1を回転させ充電が始まる。

2,ヒーターはエンジンの熱を利用するので、エンジンを熱くするためにエンジン駆動時間が増え充電も始まる。

 

この2つの乗り方をすることで、ハイブリッドバッテリーが常に充電されるようになり、寿命が伸びます。

しかし、エンジンがかかる時間が増えるので、燃費は悪くなります。

 

ハイブリッドバッテリー異常の警告灯がついた時は燃費が悪くなってもこの充電を増やす乗り方にしてハイブリッドバッテリーを強制的に充電するようにして下さい。

 

 

ハイブリッドバッテリー交換費用

HVバッテリー120,000円
工賃18,000円
合計138,000円

HVバッテリーはハイブリッドバッテリーの略です。

HVバッテリーはリビルト金額です。

 

新品でも16万円程度ですが、リビルトにはボルテージセンサーもセットなのでお得になっています。

ボルテージセンサーは電池ブロックの電圧、電流、温度などを管理していますが、ボルテージセンサーもハイブリッドバッテリーと同時期によく故障します。

 

以下はボルテージセンサー故障時の電圧グラフです。

ボルテージセンサーが故障すると、このように全部の電池ブロックの電圧差が均等に0.3V以上になります。

こようにボルテージセンサーが故障している数値でもハイブリッドバッテリー異常の警告灯が点灯するので、間違えてハイブリッドバッテリーを交換しないように注意してください。

 

 

 

 

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