クラウンのエンジンチェックランプとハイブリッドシステム故障がメーター表示されましたので、とりあえず直す前に消去しました。
ハイブリッドバッテリー本体が故障してしまったようですが、直さなくても以下の警告灯は消去できます。
車両情報 210クラウン H28 25万km
しかし、弱っているのは事実です。いつか再発する可能性があるので、リビルトバッテリーに交換しました。
直さなくてもチェックランプを消す方法と交換費用など、ハイブリッドバッテリー関連情報をご紹介します。
また、作業手順の画像も公開するので、低電圧作業者は参考にして下さい。
ハイブリッドバッテリーの寿命の確認方法はアクアのハイブリッドバッテリーの寿命ページを参考にして下さい。
目次
リビルト ハイブリッドバッテリー交換費用
リビルト ハイブリッドバッテリー | 200,000円 |
交換工賃 | 30,000円 |
合計 | 230,000円 |
このリビルトバッテリーはボルテージセンサーもセットです。
ボルテージセンサーは
- バッテリーの電圧
- 電流
- バッテリー温度
- 冷却ファン回転数
- 漏電電圧
を測定してコンピューターにデータを送る部品ですがハイブリッドバッテリーを取り外さなければ交換できません。
ボルテージセンサーは下記画像の赤丸の奥についているので、ハイブリッドバッテリーの下側カバーを外す必要があります。
ボルテージセンサーもよく故障するので、ハイブリッドバッテリーを取り外した時に交換することをお勧めします。
なお、安いリビルトバッテリーは容量が減っている事も考えられるので、長く乗るようでしたらなるべく質のよい高いリビルトバッテリーを選ぶようにし下さい。
新品 ハイブリッドバッテリー交換費用
新品 ハイブリッドバッテリー | 250,000円 |
ボルテージセンサー | 30,000円 |
交換工賃 | 280,000円 |
交換後も15万km以上乗る予定でしたらリビルトより新品がいいと思います。
280,000 円で修理するなら車を買い替える人も多いです。
車売却はお店よって買取価格が数万円以上変わります。
買取店でよくある出来事を紹介してあるガリバーに行く前に見ておく注意点のページを参考にして高く売って下さい。
ハイブリッドシステムチェックの消し方
クラウンのハイブリッドシステム故障がついた時は、すぐにハイブリッドバッテリーを交換するのではなく、まずは警告灯を消して下さい。
エンジンチェックランプも同時に点灯しますが、こちらも診断機があれば簡単に消す事ができます。
診断機がない場合は補機バッテリーのマイナス端子を10分以上外しても消す事ができます。
補機バッテリーはトランク左にあります。下の赤丸がマイナス端子なので、ここを外してください。
1度消すと、ハイブリッドバッテリーが弱っていても1週間から1ヶ月前後は消えたままです。
しかしハイブリッドバッテリーの寿命の場合は、高確率でチェックランプが再点灯します。
永久に消すにはハイブリッドバッテリーを交換するしかありません。
ハイブリッドバッテリー交換時期に車を売る人が多いです。
高く売りたい方はカーセンサー一括査定をやってみたのページも参考に見て下さい。
ハイブリッドバッテリーの寿命は3つで決まる
ハイブリッドバッテリーの寿命は主に以下3つで決まります。
- 充電と放電の制御
- 乗り方
- バッテリー容量
この3つを説明します。
※ハイブリッドの文字が長いので以下の文章では(HV)と略して書くこともあります。
充電と放電の制御が寿命を伸ばす鍵
充電と放電の制御は車のコンピュータープログラムによるものです。
基本的により長くハイブリッドバッテリーを使用できるような設定なっています。
ハイブリッド車はどの車も過充電と過放電ならないように充電量を常に40%~60%の間で制御しているので、制御では寿命の差はでません。
この充電状態をSOCと言います。
クラウンはSOCを適切に管理してバッテリーの寿命を伸ばしています。
ハイブリッドバッテリーが弱る乗り方
ハイブリッドバッテリーをよく使う乗り方が寿命が早めるといった噂があります。
例えばアクセルを余り踏み込まずにエンジンを始動せず、頻繁に電気だけで走行するとハイブリッドバッテリーが弱りやすい、と聞いたことがありますか?
実は、その乗り方でもハイブリッドバッテリーは大丈夫です。
クラウンはSOCを適切に管理しているので、バッテリー負担がかかる充電量40%以下になるとエンジンをかけてハイブリッドモーター(発電用モーター)を動かし強制的に充電する仕組みになっています。
弱るのはSOCを管理できないエンジンをきっている間です。
ハイブリッドバッテリーは放置時間が長いと自己放電して容量が減ります。
一定の量まで減ると充電しても容量までは回復しなくなるので、満充電でも使うとすぐに減るバッテリーになってしまいます。
長期間放置する時は、7日に1度は誰かに10分ほどエンジンをかけてもらうようにして下さい。
HVバッテリーの容量で寿命が変わる
トヨタのハイブリッドバッテリーを比較しました。
ニッケル水素電池車の例車名 | セル数 | 電圧 |
アクア | 120セル | 144V |
プリウス | 168セル | 201V |
クラウン | 192セル | 230V |
※ニッケル水素電池の起電力は1.2V
ハイブリッドバッテリーの交換時期は以下のようになる事が多いようです。
- アクアは10万~15万kmで交換
- プリウスは20万~25万kmで交換
- クラウンは25万~30万kmで交換
以上の事から上の表と寿命の共通点をみると、セル数と電圧が低いと寿命が早いようです。
ちなみにプリウスのリチウムイオン電池タイプは56セルで207Vです。
リチウムイオン電池の起電力が3.7Vと高いので、セル数を少なくする事ができます。
もう少し年数が経過してデータが集まればリチウムイオン電池の平均寿命もわかると思います。
ハイブリッドバッテリーの交換時期
先ほどご紹介したようにクラウンのハイブリッドバッテリーの交換時期は25万km以上です。
普通に車を使っていれば20万km以下で交換する事はありません。
弱っている充電池は、通常より早く満充電になりますが、放電も早いです。
スマホと同じで充電が100%でも使うとすぐに20%まで下がってしまうような状態です。
クラウンがここのような状態になるとチェックランプをつけてハイブリッドバッテリー異常を表示します。
また、ここのような状態は診断機を繋ぐと調べる事ができます。
下のページを参考にして下さい。
ハイブリッドバッテリーは充電で復活する
クラウンのハイブリッドバッテリーは外部充電器で充電する必要はありません。
クラウンハイブリッドは駆動モーターを2つ使っています。
1つは低速走行用で、もう1つはエンジン始動と発電機能があります。
この発電用のモーターをエンジンで回してハイブリッドバッテリーを充電しています。
それに加え走行中はブレーキでも充電するので、車を普通に使用するだけで、ハイブリッドバッテリーは充電されます。
整備マニュアルにも「外部から充電する必要はない」と書かれています。
ハイブリッドバッテリーは充電をすれば回復しますが、1度弱ってしまったセルは容量が減るので、直列で繋がっている隣のセルの電圧負担が大きくなり、セルを複数繋ぎ合わせたモジュールが故障します。
モジュールが故障すればボルテージセンサーによってエンジンチェックランプをつけます。
走行による充電で回復しているかどうかは、アクアのハイブリッドシステム点検方法のページを参考にして下さい。
補機バッテリー上がりはHVバッテリーの寿命を早める
補機バッテリーの充電も駆動モーターがしています。
補機バッテリーが弱っていると駆動モーターが補機バッテリーを頻繁に充電しなくてならないので駆動モーターの充電がハイブリッドバッテリーではなく、補機バッテリーに流れてしまいます。
補機バッテリーが弱ってもハイブリッドバッテリーに負担がかかるので、注意して下さい。
ハイブリッド冷却機能低下はファン清掃
ハイブリッドバッテリーは電圧と電流が高いので、高温になりやすいです。
ボルテージセンサーで温度管理されており、ハイブリッドバッテリーには冷却ファンも備わっています。
冷却装置はファンによる空冷なので、複雑ではありませんがハイブリッド車は冷却系統のトラブルが多い事で有名です。
特に多いのが冷却ダクトのフィルター目詰まりです。
ハイブリッドバッテリーの空冷は車内の空気を使うので埃を吸い込みやすいです。
クラウンの冷却ダクト吸い込み口ははリヤシートの両端にあります。
下の画像はリヤシートを外した状態ですので、分かりにくいですが、両サイドに吸気ダクトがあります。
このダクトからファンを通過してハイブリッドバッテリーに空気を送ります。
ファンは下の画像のようにトランクにあるハイブリッドバッテリー上についています。
左右の吸気ダクトからファンに入り、左下からバッテリーに風を送ります。
吸気ダクトが目詰まりしていると、ここに風が来ないので、温度センサーが異常を感知して冷却機能低下と表示します。
吸気ダクトのフィルターはクリップで固定されています。
リヤシートの横にあるのでシートを外せば簡単ですが、シートがついた状態ですとクリップを外すのが少し大変です。
車検の時に清掃してもらうと安心です。
安い車検は車検人気ランキングを参考にして下さい。
210 クラウン ハイブリッドバッテリー場所
リヤシート後ろについていますが、取り外しトランクルームで行います。
上の画像のようにトランクの内張りを外せば見えます。
オレンジの配線とパーツは通常230Vの電圧ですが、モーターはコンバーターで昇圧して最大650Vがかかってる事もありますので絶縁グローブなしでは触らないで下さい。
ここで見えているのはハイブリッドバッテリーのケースにあたる部分です。
中はニッケル水素の1.2Vのセルが192個が入っています。
自分でハイブリッドバッテリーを交換する手順画像
ハイブリッドバッテリーの交換は高いので自分で作業しようと思っている方もいると思います。
しかし、ハイブリッドバッテリーの交換は整備振興会などで低圧電気取扱研修などを受講した人でしか作業できません。
研修を受けた方は規定の作業場で専用工具を使って交換して下さい。
ここでは整備マニュアルのイラストでは分かりにくい所を実際の画像で紹介します。
整備マニュアルと合わせて見ると参考になると思います。
最初に補機バッテリーのマイナスを外して、ハイブリッドバッテリーのサービスプラグを外し、インバーターが0Vになっている事を確認します。
次はトランク内の内張を全部外し、リヤシートもすべて外します。
①リヤシートとパッケージトレイトリムを外した画像
②パーテーションをめくりボルト2本を外す
③バッテリーキャリアブラケットを外す
下はキャリアブラケット付近の拡大画像です。
④配線を外す
⑤バッテリー上のファンモーターを外す
⑥べニア板を引いてその上をスライドさせて手前まで持ってくる
2人で持ち上げて車外に取り出す。
以上でハイブリッドバッテリーを車外に取り出すことができます。
後はハイブリッドバッテリー下側についているボルテージセンサーなどを交換すれば終了です。
バッテリー下の部品交換が必ず発生するので、バッテリーの角にブロックなどおいて下に空間を作って交換作業をして下さい。
ハイブリッドバッテリーが故障しても乗れる?
ハイブリッドバッテリーが故障すると強制的にエンジン駆動に切り替わります。
状態としてはガソリン自動車と同じなので、乗ることは可能です。
しかし警告灯と警告音は時々します。
その状態で1年以上乗り続けた方もいますが、万が一ハイブリッドバッテリー以外の駆動モーターなどの故障も併発している場合は補機バッテリーの充電が出来ないので、バッテリーが上がってしまいます。
もし乗り続けるようでしたら途中で止まってしまうリスクも考えておく必要があります。
なお、クラウンでしたらハイブリッドが異常でも高く売れます。
15万kmを超えているようでしたら、今のうちに一括査定で比較して高く売った体験談を見て売却を検討してみるのもいいとい思います。