| 車種・型式 | ルーミー、パッソ M900 |
| 走行距離 | 50000km |
| 外気温/天候 | 32℃/晴れ |
| 路面状態 | 平坦アスファルト |
坂道でアクセルを踏んでも走らなった症状を調べてみるとディーラーにて対策が出ていました。対策内容と対策前後の違いをお伝えいたします。
目次
アクセル踏んでも加速しない症状を改善できる車種
加速しない症状の対策プログラム(ECUアップデート)が存在します。具体的な該当車種は以下の通りです。
トヨタ ルーミー / タンク、ダイハツ トール、スバル ジャスティ(M900系 NA車)
パッソと同じ1.0L NA(1KR-FE)エンジンを、パッソより数百kg重いトールワゴンボディに搭載しています。車重が重い分、低回転・高負荷状態に陥りやすく、夏場の坂道で「ベタ踏みしても登らない」という症状が非常に顕著に出やすい代表格です(ECUプログラム改善のサービスキャンペーン等が出されています)。
ダイハツ ブーン(M700S / M710S)
パッソのOEM元(ベース車)であり、エンジン・ECU・CVTの制御プログラムは完全に共通です。同様に坂道での失速や発進時の極端な遅角症状が発生します。
ダイハツ 軽自動車シリーズ(タント、ムーヴ、キャンバス、タフト等 / KF型エンジン搭載車)
排気量は660ccですが、ダイハツ共通の「燃費優先で低回転を維持しようとするCVT制御」と「ノッキングに対する過剰な点火遅角ロジック」が共通しています。夏場の熱害時に坂道で極端にパワーが落ちる現象が多く報告されており、制御ソフトの改修(リプログラミング)が順次配信されています。
トヨタ ライズ / ダイハツ ロッキー(A200系)
1.0Lターボ(1KR-VET)や1.2L(WA-VE)を搭載するコンパクトSUVですが、初期型においてアクセルを踏み込んだ際の発進応答性の遅れやレスポンス不調に対してECU/CVTの制御変更が行われた事例があります。
坂道のぼらないルーミー等はECU書き換え
これらの車種に共通している根本的な理由は、「カタログ燃費の数値を伸ばすため、極限までエンジン回転数を低く抑えて粘らせる協調制御」をメーカー(ダイハツ)が統一して採用していたためです。
新車時は問題ありませんが、経年変化による若干のカーボン堆積や夏場の高吸気温(熱害)が重なった際、過敏な点火遅角の悪循環に陥るという構造上の「癖」を全般的に抱えていたことが背景にあります。
エンジン内部のカーボン堆積は簡単には取り切れません。その場合、ECUを書き換えることで点火時期と変速比を変更し、快適かつ低燃費で加速性能を向上させることができます。
経年劣化で完全に復活できない場合もあります。加速不良で乗り続けるとストレスもたまり、燃費も悪くなるので買い替えも検討して見て下さい。
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次は実際にトヨタのパッソのデータを取得しましたので確認して下さい。
パッソ ECU書き換え前 エンジンデータ

【アップデート前:エンジンデータのポイント】
吸入空気温度(55℃): 吸気温がかなり高く、ノッキングが発生しやすい高熱環境です。データを見ると極端な点火遅角にセットされ、アクセルペダルを約45%まで踏み込んだ際(00:03.5〜00:05.9付近)、点火進角が -17.5° 〜 -19.0° という非常に大きなマイナス値(遅角)へ落とされています。
これが坂道や高負荷時のパワー不足感の直接原因です。ノック制御も介入しているので、ノック制御値 が -3.00° CA で常時入っています。
これらの原因で回転数が落ち込み、アクセルを開けている途中の 00:04.5(車速7 km/h)付近で、エンジン回転数が一時 1734.2 rpm まで下がってしまってます。
これではエンジンは吹け上がるのは難しいです。
パッソ ECU書き換え後 エンジンデータ

点火時期(点火進角)の制御マップ緩和
アップデート前はアクセルを踏み込んで発進する際(車速6〜10 km/h付近)、点火進角が -17.5° 〜 -19.0° という極端なマイナス値(遅角)まで落とされ、車速が15 km/hに達しても -11.5° と遅角したままでしたが、
アップデート後は最も落ち込んだタイミングでも -5.5° に抑制されており、車速が伸びるにつれて +2.5° → +4.0° → +7.5° と素早く正の値(進角)へ復帰しています。ノッキング過剰によるトルクカットが完全に緩和されています。
これでエンジンの吹け上がりは改善されますが、今回の加速不良はエンジンだけの問題ではないので、CVT制御も確認してみます。
アップデート前 CVTデータ

【アップデート前:CVTデータのポイント】
発進〜加速の挙動をデータでみると車速 0 km/h から 15 km/h への加速において、プライマリ回転数の立ち上がりが鈍く、低回転域の負荷を逃がしきれていません。なお、00:07.5(14 km/h)のタイミングで SLU/DSU駆動 が OFF から ON に切り替わっています。
3 km/h(00:03.0)の時点で変速比は 3.333(プライマリ 500 / セカンダリ 150)。最ローギアをしっかり使えず、早い段階でハイギア側へ逃げてしまっています。これではかなりのエンジンパワーがないと加速しません。
アクセル開度約36%で加速中、車速7 km/h付近でエンジン回転数が 1734.2 rpm まで一回転数が下がり、CVTプライマリ回転数も 900 rpm と低いギア比に留まっていました。これはノッキングを誘発しやすい低回転・高負荷状態です。

アップデート後 CVTデータ

CVT変速(プライマリ回転数)とエンジン回転数の追従性
アップデート前と違って3 km/h(00:02.4)の時点で変速比 5.500(プライマリ 550 / セカンダリ 100)を出しています。最ローギアの駆動力をしっかりタイヤに伝える制御へ変わっています。
アップデート後はアクセル開度約31%(前より少し浅い踏み込み)にもかかわらず、エンジン回転数は垂れることなく 1792 rpm から 2636 rpm までスムーズに吹け上がっています。車速7 km/h時点でのプライマリ回転数も 1150 rpm(前より250 rpm高い)を維持しており、CVTが早期にローギア側を使ってエンジン負荷を逃がす制御に変わっています。
ロックアップ・制御切り替え(SLU/DSU駆動)のタイミング
アップデート前は車速 14 km/h に達した時点(00:07.5)で「ロックアップON」に切り替えてます。
アップデート後は車速 10 km/h に達した時点(00:03.3)で早期に「ロックアップON」へ切り替えてます。エンジントルクが向上したことで、より低い車速から駆動伝達系を切り替えられるようになっています。
このおかげで加速も燃費も向上しています。

加速性能改善結果
0〜15 km/h の加速タイム
アップデート前は0 km/h から 15 km/h 到達まで 約7.2秒(00:01.4 〜 00:08.6)でしたがアップデート後は0 km/h から 15 km/h 到達まで 約2.7秒(00:01.3 〜 00:04.0)です。発進・加速レスポンスが2倍以上に改善されています。
今回のデータで予測できるアップデートの仕組みはエンジンの点火遅角の防止とCVT変速比のハイギヤ移行の制御です。
エンジン側では、アクセルを踏み込んだ直後に発生していた -18°クラスの破滅的な点火遅角が姿を消し、落ち込んでも -5.5° 程度に抑えられ、即座にプラス(+7.5°)へ進角する ロジックへ書き換えられたことがわかりました。
CVT側ではアクセルを開けた際に、CVTがプライマリ回転数(1150 rpm〜)を保持し、エンジン回転の落ち込みを防ぎながらローギア側を使って加速を助けている挙動が確認できました。
この2つの設定を変えることでスムーズな加速不良が改善されています。
前に比べて比べて、「走りが遅くなった!」「坂道を登らない!」と感じましたらディーラーで改善プログラムがあるか確認して下さい。
そのような改善策が発表されいない場合はスロットル系統を洗浄してカーボンを除去するだけでも走りが改善するケースもあります。スロットル洗浄内容や洗浄費用はこちらのページを参考にして下さい。

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