| 車種・型式 | NBOX JF3 |
| 走行距離 | 120,000km |
| AT油温 | 80℃ |
| 外気温/天候 | 26℃/晴れ |
| 路面状態 | 平坦アスファルト |
ホンダのCVTはサラサラのオイルを使用してるので、オイルの影響でCVTの挙動が大きく変わります。
CVTが故障したかな?と感じましたらまずはオイルを疑う、というほどホンダのCVTはオイルが重要です。
このページでご紹介するデータ上記条件下の実測値ですが、変速比と実ロックアップ判定は計算した数値を入力してあります。
走行性能曲線図を作成して余裕駆動力と実変速比を比較してみて下さい。
CVTオイルの劣化も判断できると思います。
NBOXのCVT1次減速比1.6
下の画像はHONDAのサイトから引用しました。

引用:HONDA
このようにN-BOXのようなスーパーハイトワゴンは、軽自動車でありながら車重が1トン近くあります。これをわずか660ccのエンジンでストレスなく発進させるために、「トルコンによるトルク増幅 + 1次減速ギヤによる数倍ブースト」のダブルで、出足の力強さを生み出しているのが下のデータでわかります。
下のデータ表の「トルクコンバータータービンスピード÷ドライブプーリーrpm」が約1.6です。
この1.6倍が減速比です。ギヤの法則として、「回転数が1.6分の一になる」ということは、逆に「トルク(車を動かす力)が1.6倍に増幅される」という意味になります。
加速中のCVT変速比とロックアップデータ

LLCはロックアップソレノイドを作動させる電流です。
1Aで完全にロックアップされますが、実ロックアップ判定では0.71Aが32になっています。
ロックアップは通常0から50の間です。この時点でほぼロックアップして0.81から完全にロックアップしています。
ですので、このデータでは時速50kmでロックアップされています。
| LLCリニアコントロールSOL | |
| ~0.2A | クラッチは完全解除、トルコンだけの力 |
| 0.5A~0.7A | 半クラッチで乗り心地と力のバランスをとる |
| 0.8A~1.0A | 完全にロックアップ、エンジンとCVTが直結 |
| 実ロックアップ判定 | |
| 600rpm以上 | クラッチは完全解除、トルコンだけの力 |
| 50~600rpm | 半クラッチで乗り心地と力のバランスをとる |
| 0~50rpm | 完全にロックアップ、エンジンとCVTが直結 |
渋滞中の低速走行のガクガク感は?

Time 00:11.8 や 00:14.4は実ロックアップ判定が強烈にマイナスになっています。
これは以下のような「流体エンジンブレーキ」の状態です。
- アクセルを離したため、LCCが 0.19A になりクラッチが切れる。
- エンジンは燃料を絞られて 943 RPM などのアイドル付近までストンと落ちようとする。
- しかし、車は惰性で進んでいるため、タイヤ側(タービン側)は 1,461 RPM で回り続けている。
- 結果として、「後ろ(タービン)が前(エンジン)をトルコンのオイルを介して引きずり回している」状態になり、逆方向に500回転以上もの「流体の滑り」が発生している。
直結クラッチをわざと解除してトルコンを滑らせることで、ギクシャク感をマイルドに吸収しているN-BOXの優しさが、この -500 RPM に現れています。
NBOXはスズキのCVTと比較するとガクガクする感じはなく、乗りやすいです。
減速中のロックアップ解除のタイミング

減速から停車までの3つの特徴
① 17 km/hまでの燃費稼ぎ(00:08.3 〜 00:14.7)
Time 00:08.3 でアクセルが 0.00%(全閉)になり、コースティング減速が始まります。
アクセルを完全に離しているのに、LCC電流は 0.59A 〜 0.55A という高い数値をずっと維持しています。
このとき、エンジン回転数とタービンスピードはほぼ「差がゼロ(実ロック判定が -2 や 3)」のまま、1,410 RPM付近にガチッと張り付いています。
これは、「アクセルOFFでもロックアップをギリギリまで繋ぎ続け、エンジンブレーキを効かせながら『フューエルカット(燃料噴射ゼロ)』の状態を限界まで引っ張って燃費を稼いでいる」状態です。
そして、車速が 17 km/h、エンジン回転数が 1,300 RPM を下回った瞬間(Time 00:15.1)から、LCC電流は一気に 0.20A(完全解除)に突き落とされます。
ここが「これ以上繋いでいるとエンストする!」という限界ラインです。
② なぜエンジン回転数が「逆流」して上がったのか?(00:15.1 〜 00:18.4)
LCCが 0.20A になってクラッチが切れた直後、もの凄く不思議な現象が起きています。
車速は 16 km/h ➡ 14 km/h と落ちているのに、エンジン回転数は 1,029 RPM から 1,400 RPM まで急上昇しているのです。
普通、クラッチが切れて車速も落ちれば、エンジンはアイドリング(700〜800 RPM)に向かって落ちるはずですよね。なぜ上がったのか?
その答えは、「計算変速比」と「ドライブプーリrpm」にあります。
00:15.1:変速比 1.526 / プーリ 828 RPM
00:17.7:変速比 2.312 / プーリ 1,033 RPM
クラッチが切れたこの瞬間、CVTは次の発進に備えて「猛烈な勢いでギヤをロー(最大変速比の2.312)に戻す作業(シフトダウン)」を行っています。
変速比が急激に大きくなったため、車速は落ちているのに、プーリーとタービンの回転数が逆に跳ね上がったのです(タービンは 1,307 ➡ 1,658 RPMへ上昇)。
クラッチは切れていますが、トルコンの中はオイルで満たされています。変速によって跳ね上がったタービン(1,658 RPM)が、トルコンのオイルを介して、落ちようとしていたエンジン(1,029 RPM)を力ずくで 1,400 RPM まで引きずり上げたわけです。
実ロックアップ判定が -350 や -268 という強烈なマイナスになっているのが、その「後ろから前に向かって引きずり回している」生々しい証拠です。
③変速比がローに戻る (00:19.3 〜 00:23.7)
Time 00:19.3 あたりで、計算変速比が 2.312(N-BOXの最ローギヤ付近)に達し、ロー戻り変速が完全に完了します。
変速の動きが止まると、そこからは車速の低下(12km/h ➡ 0km/h)に合わせてプーリーもタービンも素直に回転を落としていきます。
それに伴い、引きずり上げられていたエンジン回転数も滑らかに下降していき、最終的に車速 0 km/h(Time 00:23.7)の瞬間に、786 RPM という無駄のないアイドリング回転数へショックゼロで軟着陸しています。


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