| 車種・型式 | ラパン HE33S |
| 走行距離 | 23,000km |
| AT油温 | 80℃ |
| 外気温/天候 | 24℃/晴れ |
| 路面状態 | 平坦アスファルト |
このページでご紹介するデータ上記条件下の実測値ですが、変速比だけ「プライマリプーリー回転数÷出力軸回転数」で計算した数値を入力してあります。
走行性能曲線図を作成して余裕駆動力と実変速比を比較してみて下さい。
目次
ラパンのCVT不具合 ガクガクする理由
CVT(走り)が「ガクガク」「ギクシャク」する!スズキの軽オーナーの間では非常に有名な現象です。
特に渋滞中ののろのろ運転の時にこの症状が目立ちます。
このギクシャク感が発生する主な原因は、「燃費を稼ぐためのロックアップ制御」と「CVTの副変速機の切り替えタイミング」が、渋滞時の速度域(20km/h前後)に重なってしまうためです。
ロックアップとはエンジンとCVTを連結させるトルクコンバーターを機械的に合体させてエンジンとCVTを直結させる機能です。
そうする事でエンジン力を余らすことなくCVTにおくります。詳しくは駆動力曲線図で解説しています。
以下で具体的な理由を分解して解説します。
CVTのリコールのリプロでロックアップ解除
スズキのCVTは燃費性能を極限まで高めるため、「少しでも車が動いたら、一瞬でロックアップクラッチを繋いでエンジンとCVTを直結する」という制御をしています。
CVTコンピュータのリプロでロックアップと変速比のタイミングを変えれる場合もあるので、乗り心地に耐えられない方はディーラーに相談してみるといいと思います。
リプロはリコールや対策が出てないと有料になりますが、リプロがある場合は1万円前後で出来ます。
普通のCVTとスズキのCVT
アクセルON時: 時速15〜20km/h付近でも、コンピューターは燃費を良くするために「ロックアップコントロールソレノイド」に電流を流し、早々にクラッチを繋ごうとします(半クラッチ〜直結状態)。
アクセルOFF時: 渋滞で前の車が詰まり、アクセルを抜くと、エンストを防ぐために今度は一瞬でクラッチを「OFF(解除)」にして急激にガクッとする動きを和らげますが、ラパンは燃費重視のため、ロックアップは解除していません。
渋滞中にアクセルのON/OFFを繰り返すと、この「直結(ガッチリ繋がる)」と「解除(フニャッと抜ける)」が目まぐるしく入れ替わり、乗り心地を快適に保ちますが、スズキ車は、燃費向上のためエンジンとミッションを直結(ロックアップ)の解除が緩いのでマニュアル車で下手にクラッチ操作をしたときのようなギクシャク感(ダイレクト感が出すぎて突っかかる動き)が発生します。
アクセル踏むといきなりドンっといった急加速し、アクセル離すと急激にエンジンブレーキがかかる症状がロックアップされたCVTの特徴です。
ラパンが低走行でギクシャクする原因
下の表が時速20km付近で渋滞中の走行を記録したデータです。

- 出力軸回転速度:CVTからタイヤを回す速度
- ロックアップコントロールソレノイド:ロックアップ装置(ロックアップクラッチ)を動かすための電流。多いほどロックアップさせる力が強くなる。
- プライマリ回転速度:エンジンからトルクコンバーターを回転させ、トルクコンバーターからCVTに入る速度。
このデータを見ると4.3秒でロックアップしています。
その後、アクセルを緩めてもロックアップは解除されてないので、アクセルを緩めたとたんにエンジンブレーキが効いてしまいます。
時系列に沿って、何が起きているかを分かりやすく解説します。
このデータのハイライトは、車速が15km/hから19km/hに達した 00:03.5 から 00:07.8 までの約4秒間です。
① 00:03.5(加速中・15km/h)
アクセル: 18% 踏んでいます。ロックアップ状態: Transition(半クラッチで滑らかに繋いでいる最中)
電流値: 513 mA
② 00:04.3(ロックアップ完了・19km/h)
アクセル: 18% のまま。ロックアップ状態: Locked(完全直結)になりました。
電流値: 996 mA(約1A。クラッチを最大油圧でガチガチに固定しています)
この瞬間、エンジンとCVTはマニュアル車のように「金属的に直結」されました。
③ 【ここが原因!】00:05.7 〜 00:07.8(アクセルON ➡ OFFへの変化・19km/h〜16km/h)
渋滞で前が詰まったのか、ここでアクセルを 0%(全閉)にしています。マニュアル車や普通のオートマ車であれば、ここでクラッチを切り(あるいは滑らせ)、フニャッとショックを逃がすのですが、ラパンのコンピューターは違います。
ロックアップ状態: アクセルを抜いたのに Locked(直結)を頑なにキープしていますが、モニタ電流を見ると半クラッチに近い値を示しています。
電流値: 568mA 〜 594mA を流し続け、クラッチを半クラッチにしようとしていますが、ロックは完全には解除されてません。
計算変速比: 1.135 だった変速比が、アクセルOFFに伴って 1.214 ➡ 1.357 ➡ 1.405 と、ローギヤ側に強制的に引き戻されています。
何がギクシャク(ガクガク)を引き起こしたか?
アクセルが 0% なのに、高い油圧でエンジンとタイヤが直結(Locked)したまま、CVTのギヤ比だけが「ローギヤ」へ落とされたため、強烈なエンジンブレーキ(減速G)が急激に立ち上がります。
これが、アクセルを抜いた瞬間に「ガクッ」と前のめりになる突っ掛かり感の正体です。
8秒以降:ON/OFFを繰り返したときのバタつき
その後、データはさらに面白い動きをしています。
減速したことで、今度はアクセルを再びちょっと踏み(14%)、また抜いて(0%)、また踏んで(15%)を繰り返しています。
00:08.6: アクセルを踏んだ瞬間、ソレノイド電流が 1008 mA(マックス)になり、ガチッとLocked。
00:10.0: アクセルを抜いた瞬間、電流が 572 mA に半減するが、Lockedは維持。
00:10.7: 再びアクセルを踏むと、電流が 1013 mA に跳ね上がり、ガチッとLocked。
このように、アクセルをパタパタ動かすたびに、ソレノイドの電流値が 500mA台(引きずり) ↔ 1000mA台(ガチガチ固定) を激しく往復しています。
実質的に半クラッチを指示してもロックアップ解除が追い付かず、エンジンブレーキが強く効いたり、駆動力が急にガツンと伝わったりが、この15〜17km/h付近のわずか数秒の間に何度も繰り返されるため、車全体が「カクカクカクッ」と波打つようなギクシャク感になってドライバーに伝わってしまいます。
これではいくら燃費が良くても、乗っていて疲れます。
CVTのジャダーはロックアップクラッチ
何万キロもオイルを交換せずに乗り続けると、先ほどお話しした「摩擦調整剤(守ってくれる成分)」が熱で完全に劣化して抜けてしまいます。
そうなると、コンピューターが半クラ(594mA)を作ろうとしたときに、クラッチ板がヌルヌルと滑ることができず、「掴んで、滑って、引っかかって」を秒単位で起こすようになります。
これが、自動車業界でいう「ロックアップジャダー(ダダダダダッと車体が激しく震える現象)」の正体です。
最悪の場合、本当にクラッチ板が異常摩耗して焼け焦げ、滑りっぱなしになってミッション交換になります。
スズキの軽自動車全般が渋滞でカクカクしやすいのは制御の仕様ですが、もしそのカクカクが「ダダダダッ」という不快な振動(ジャダー)に変わってきたら、それはクラッチ板が悲鳴を上げているサインになります。
常に大人数を乗せて走行していると、ロックアップクラッチと共にCVTベルトも磨耗してくるので注意が必要です。
軽いジャダーの内なら買取査定の影響はありません。
本格的な不具合に発展する前にお車の買い替えを検討する良いタイミングです。
簡単に高く売れる「一括査定をやってみた感想」ページを参考にしてみて下さい。
ラパンのCVT変速比とロックアップ相関データ
スタート時のCVT制御(ロー、ハイ)
こちらはロースタート(ゆっくり)のデータです。

こちらはハイスタート(速い)のデータです。

ハイスタートですとトルコンの増幅作用が優先されてロックアップされるタイミングが少し遅れます。
スロースタートで時速18km辺りからアクセルを徐々に強く踏むと効率よくロックアップが保てるようです。
下がこのデータで作成したラパンの駆動力曲線図です。最初の時速15kmはトルコンが滑っているので振り切っています。
黄色点線の計算変速比のすぐ下に並ぶように紫のスキャン変速比があるので、CVTは正常です。

あなたのお車と比較してどうですか?
ロックアップソレノイド電流が850mA以上あればロックアップされているはずなのに、プライマリ回転速度とエンジン回転数速度に差があればロックアップクラッチが滑ってます。
摩擦調整剤を復活させるために早急にCVTフルードを交換してCVTの寿命を延ばしましょう。
お車を買い替えを検討中の方は下取りに出すのは待って下さい。
10万以上損する事もあるので、1度一括査定でも見積りしてみて下さい。
一括査定やってみたページで注意点を確認して進めて見ましょう!


この記事へのコメントはありません。