カローラのバッテリー交換後のスロットル学習でアイドリング回転数を安定させる

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カローラ ルミオンのアイドリング不調を修理しました。

2ZRエンジンの車でしたら同じような原因でエンジン不調になるので下記車両の方も参考になると思います。

  • カローラ系 フィルダーなど
  • ヴィッツ
  • オーリス
  • プレミオ
  • アクシオ
  • ヴォクシー、ノアなど

簡単にエンジン不調が直りましたので是非やってみてください。

バッテリー交換後に必ず設定しなければならないスロットル学習も簡単にできるので見て下さい。

 

 

アイドリング不調の症状

エンジンをかけてアイドリングをしていると回転数が時々500rpm以下になってエンストしそうになっていました。

少し前からこの症状が出ていたようですが、バッテリーを交換したら、さらに不安定になりハンチングも発生するようになってしまいました。

 

 

アイドリング不安定の故障コードを検出

カローラ系の2ZRエンジンはバッテリーを交換するとスロットルの初期学習をしないとアイドリング回転数が高いままになったり、逆に低すぎてエンストしてしまう事もあります。

今回はバッテリーを交換する前からアイドリングが不安定になっていたので、スキャンツールで故障コードを確認してみました。

  • P1603 エンスト検出
  • P1604 始動不良
  • P1695 アイドル不安定

この3つのコードが出ていましたが、このコードは具体的にどこが故障しているか教えてくれているものではありません。

発生した現象を記録しただけです。

ですので、この3つの原因を探しますのが故障探求になりますが、このコードが検出されてエンジン回転数が低いならスロットルボディを最初に疑います。

 

 

スロットル清掃は基本作業

スロットルボディはエンジンに適量の空気を送るためにバルブで開度を調整しています。

スロットルバルブといい、アイドリングを調整する時は主にISCバルブで行いますが、この車両はスロットルバルブがISCバルブの役割を兼ねて同時に調整しています。

 

※詳しくはISCバルブの仕組みと作動をご覧下さい。

 

エンジン回転数を上げたければバルブを開き、回転数を低くしたければバルブを閉じます。

 

アイドリングはエンジンが安定するように自動(エンジンコンピューターによって)でバルブの開閉が行われています。

このバルブが汚れる事でアイドリング回転数が高くなってしまったり、引くなったしまったりするアイドリング不調が発生します。

 

アイドリングが不安定になりましたら、真っ先にスロットルの清掃をします。

上の画像の右下の赤四角の左辺りにスロットルボディがあります。

ホースを外すと中のバルブが見えます。

 

 

スロットルボディの清掃方法

円柱の縁が黒いのがカーボンです。

中はガソリンと空気が混ざるので、ガソリンと汚れが炭素として側面に付着します。

このカーボンがバルブの隙間を作ったり、粘り気で動きを悪くし、アイドリングを不安定にします。

 

清掃はウエスで拭き取るだけです。

バルブの下側を指で押して開き、指が届くところまで拭いて下さい。

 

清掃が終わりましたらスロットルの初期化します。

初期化しないとアイドリング回転数はとてもたかく、1500rpmほどです。

初期化はスロットル学習といいますが、スキャンツールなど使わなくても出きるので、是非やってみてください。

 

 

スロットル学習方法

バッテリーを交換しただけでもスロットルは学習が必要です。

下記のようにやってみてください。

 

スロットル学習手順
  1. エンジンを暖気する。(20分程度アイドリング)
  2. エアコンやライトはOFFにする。
  3. 時速10km以上で10秒以上走る。
  4. ブレーキを踏んで止まる。(20秒以上停車)
  5. また時速10km以上で10秒以上走る。
  6. またブレーキを踏んで止まる。(20秒以上停車)
  7. また時速10km以上で10秒以上走る。
  8. またブレーキを踏んで止まる。(20秒以上停車)

以上ですが、1~8までエンジンはきらずに行って下さい。

もしエンジンを途中できった場合は最初からやり直して下さい。

 

3~8まではDレンジのままです。ニュートラルなどシフトチェンジしないで下さい。

アイドリング回転数が1000rpm以下になりましたら完了です。

 

以上ですが、スロットルボディの汚れはスキャンツールでも判断できます。

エンジンコンピューターはスロットルバルブの開度や吸入空気量などを測定していますので、それらのセンサー数値を見ることで、エンジン内部汚れ具合や、エンジンも弱り具合などもわかります。

 

次はスキャンツールを使用してエンジンデータからスロットルボディのカーボン汚れを見分ける方法をご紹介します。

自動車整備士もしくは車に興味がある方の内容になりますが、整備士がどんなデータを見て故障を判断しているのか気になる方は見て下さい。

 

 

 

カーボン汚れを数値で見る方法

スキャンツールをOBDⅡの差し込み口につなぐと車両データを見ることができます。

データはエンジンの水温、空気量、燃料噴射時間、回転数、アクセル開度、排気温度、吸入空気温度など、50項目以上のデータが見れます。

今回はスロットルの汚れで空気量が調整できていなかったので、以下の5つをみました。

 

 

アイドリング不調の時(入庫時)

エンジン回転数545rpm
吸入空気量1.76g/s
スロットルモータ開側Duty比9%
ISC流量6.04L/s
ISC開度8.12°

スキャンツールで見ると最初はこのような数値でした。

ISCがここまで開いているのに吸入空気量が少ないのは変です。

※各数値は吸入空気量を計算してエンジン不調を探すで解説しています。

 

回転数も低いのでISCが汚れで動く位置がずれているようです。

アイドリングでは「スロットルモータ開側Duty比」は0%が基本ですが、9%でしたので、ISCズレを補正しています。

 

整備マニュアルでは「スロットルモータ開側Duty比」が0でなければデポジット(カーボン)が溜まってバルブを開いているとみなします。

 

 

スロットル清掃後

エンジン回転数1228rpm
吸入空気量3.65g/s
スロットルモータ開側Duty比0%
ISC流量3.09L/s
ISC開度4.76°

ISCとはアイドリング状態の空気量を調整するバルブです。

スロットル清掃によってカーボンを取り除いた分だけスロットルバルブに隙間ができてしまいました。

 

その分、吸入空気量が増えてしまったのでISC開度を減らし、ISC流量も少なくしていますが、吸入空気量は減らすことができず、エンジン回転数も上がってしまっています。

隙間を調整するためにスロットル学習が必要です。

 

 

スロットル学習後

エンジン回転数655rpm
吸入空気量1.67g/s
スロットルモータ開側Duty比0%
ISC流量1.60L/s
ISC開度2.47°

スロットル学習でISC開度が下がり、吸入空気量が基準値まで来ました。

学習後の数値は正常なエンジン数値と同じです。

 

カーボン汚れが気になるようでしたら、この数値と比較してスロットルを清掃してみて下さい。

 

 

 

スロットル清掃料金

整備工場にスロットルボディの清掃を依頼した時の費用です。

整備工場で清掃する場合、洗浄液を使って綺麗にするのでやり方によってはインマニやインジェクタも綺麗になります。

どこまで綺麗になるか整備士に相談して見て下さい。

洗浄液1,500円
工賃2,000円
スロットル学習3,000円
合計6,500円

燃費も良くなり、アイドリング振動も減り、加速もアップするので、整備工場のスロットル清掃はおすすめです。

洗浄液は付着させてはいけない箇所があります。

初期学習も大事なので、作業は安心できる整備工場にお願いして下さい。