故障診断のやり方　原因究明から修理費用を解説

最初だけキュルキュル音はベルト鳴き

エンジン始動時の最初だけ出る大きな「キュルキュル」といった異音を聞いたことはありますか？

1度経験している人ならなんとなくベルト鳴きだと見当が付くと思います。

雨の日や、朝のベルトが冷えている時に音が出やすいのがベルト鳴きです。車検でもベルトは点検しますが、入庫時はベルトが暖まっているので鳴きが発生しない事が多いです。

そのため車検でも張りと亀裂に問題がなければベルト鳴きは見落とす事も多々あります。

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今回の車両:平成25年のスズキ　アルト　走行距離６万km

小さい音の時もありますが、大体は大きなベルト鳴きがします。

アクセルを吹かすと、さらに音が大きくなりますが、5秒ほどでピタリと消える事がよくあります。

アルトのベルト鳴きの原因とタイミング

エアコンのスイッチやヘッドライトスイッチをonにすると消える時もあれば、逆に音が発生する時もあるのも、このベルト鳴きの特徴です。

いずれにしてもベルトの硬化や磨耗による張り不足が原因になります。

※下の画像の右側のベルトは鳴きによる削れで溝が細くなっているのがわかると思います。

ダイナモやエアコンのコンプレッサーが焼き付きロックしている場合も同じようなキュルキュル音がでますが、ダイナモがロックしている場合は音は消えず常に出ます。

エアコンコンプレッサーロックの場合は、エアコンスイッチをonにした時にだけキュルキュル音が出ます。

アクセルを踏んで加速する時もベルト鳴きが発生しやすいですが、アルトはアクセルを強く踏んでもスピードが出ない故障も多発しています。放置すると燃費が悪くなるので以下も参考にして下さい。

アルトの加速不良はCVTかイグニションコイルか調べる方法

アルトがアクセルを踏んでも走らない！といった症状のお問い合わせを受けました。試乗してみると確かに...

エアコンベルトの交換方法

ベルト交換の工賃はオートバックス工賃表が一般的なので参考にして下さい。

下の３枚の画像を見てベルト交換の参考にして下さい。

まず１つ目の画像はコンプレッサー下側のボルトを示しています。

コンプレッサーの上側のボルトはフロントのナンバーを取り外した所から見えます。

※下の画像は調整ボルト。上２本のボルトを緩めて、ここを左に回すとコンプレッサーが奥に動きベルトが緩みます。右に回すとコンプレッサー本体が動きベルトが張る仕組みです。

以上がエアコンベルトの調整です。

キュルキュル音は数秒で音が消えるので、そのまま乗る人もいますが、ベルト鳴きはベルトの滑りから発生している音なのでバッテリーの充電が弱くなるので注意して下さい。

その他にファンベルトはウォーターポンプも同時に回しているので、滑って回りが弱ければオーバーヒートする危険もあります。

※上の画像の３つの丸いプーリーは右がウォーターポンプ、中央がクランクプーリー、左がダイナモ。

ファンベルトの交換方法

アルトのファンベルトはダイナモとウォーターポンプの両方を回しています。

このファンベルトは左のダイナモを動かすと交換できます。

エアコンコンプレッサーと同じく上下のボルトと調整ボルトを緩めれば交換できます。

※下の画像はダイナモの調整ボルト。

ベルト鳴きがした時はとにかく早めに交換した方が良いです。

特に古いバッテリー（3年以上経過）がついている車はベルト鳴きがするとバッテリーが上がりやすくなるので注意して下さい。

ベルトは鳴き出すと削れてベルトが細くなりさらに滑って削れて最終的に切れてしまいます。

※下の画像はベルトが削れてダイナモの下に削れ粉が出ているのが分かると思います。

このような状態の場合、ベルトが切れやすくなっているので早めに交換するようにして下さい。

アルトのエンジン始動時の音の原因と修理費用まとめ

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