NV200の触媒劣化はO2センサー故障か【エンジンチェックランプを消す方法】

エンジン警告灯がついたニッサンNV200の故障診断をしたところ、P0420 触媒劣化と表示されました。

触媒を交換するとなると10万円ほどかかります。

 

02センサーが故障しても触媒劣化と表示されるようなので、触媒を注文する前に詳しく調べた方がよさそうです。

ここでは触媒劣化の診断方法と交換費用をご紹介します。

車両:平成26年 VM20 15km

 

 

触媒劣化の原因とメカニズム

触媒はエンジンとマフラーの間についている「排気ガスのCO、HC、NOxを減らす」装置です。

3つ分子を反応させるので3元触媒と言われています。

  • CO+1/2O2→CO2
  • 2HC+5/2O2→2CO2+H2O
  • 2NO+2CO→2CO2+N2

三元触媒の中は格子乗のセルになっています。

セル(セラミックス)の表面にPt Pd Rhがついています。

 

NOxが最初に触媒内部のコージェライトのセラミックスに付着し、N2に還元されます。

そこで残ったO原子はCOと反応しCO2になります。

 

排気ガスを酸化させて浄化していますが、酸化は700℃以上必要です。

しかし3元触媒は150℃でも反応するため、有害ガス排出防止に貢献しています。

 

触媒が劣化する原因は、高温、高排出圧力、ガソリン付着、エンジンオイル付着などが考えられます。

下のイラストは吸気と排気の流れです。

このイラストのようにエンジンから後ろはエンジンの圧力とガソリンやオイルが少しずつ流れてしまう構造になっています。

 

頻繁に加速させる乗り方をすれば高温、高排出圧力になり、エンジン不調のまま車に乗り続けると未燃焼ガソリンが付着し、オイル下がりのエンジンでしたらオイルが付着して触媒を劣化させます。

また、アイドリングで長時間停車している乗り方は触媒内部に水が溜まりやすく、水分は内部の物質を劣化させます。

 

 

 

ニッサン車の触媒劣化の症状

触媒が劣化すると排気ガスが浄化できなくなります。

排気ガスが浄化できない時に現れる症状をご紹介します。

 

 

排ガスの臭い強くなる

COとHCはガソリンが燃焼できなかった残りです。

ガソリンは炭化水素系(HC)です。

触媒が劣化するとHCを浄化せずにそのままマフラーの出口から排出されるので、ガソリンの未燃焼ガスの臭いが強くなります。

エンジン冷間時はエンジンを温める為にガソリンを多く噴射するので正常な触媒でも臭いが強い時があります。

エンジン暖気後も臭いが強い時は触媒劣化の可能性があります。

 

 

エンジン警告灯

触媒の後ろにはO2センサーが付いています。

下の画像は触媒後ろのパイプです。上に付いているのがO2センサーです。

O2センサーは触媒の酸素量を測定して、信号電圧を送りますが、酸素が多ければ5秒間は電圧を変化させません。

※参考ページ:O2センサーの仕組み

 

この信号が5秒以内に数回変化するようなら触媒の酸素量が変動していることを示しています。

触媒の酸素量は「アクセルを開く」「アクセルを閉じる」などの操作で燃料噴射量と吸入空気量が変化しなければ変動しないのが正常なので、O2センサーの電圧が変わった時はコンピューターは触媒機能の劣化と判断しエンジン警告灯を点灯させます。

警告灯を点灯させた故障コードはP0420触媒劣化です。

 

 

燃費の悪化

O2センサーは現在の燃料の濃さを信号で送りますが、触媒が故障している時は実際は濃いのに薄いといった信号を送る時があります。

薄い信号を受けたコンピューターは燃料を濃くします。

必要以上に濃くすると出力が下がるので、さらにアクセルを踏み込むなど、燃費悪化の悪循環になります。

 

 

触媒の交換費用

触媒本体95,000円
ガスケット3,000円
工賃15,000円
合計113,000円

触媒は高温になるため酸化して、止めているボルトとナットは錆ます。

錆でボルトが折れると工賃は倍以上かかる場合があります。

 

もうすぐ車検でしたら安い車検店を探すか、カーセンサーで高く売るか、考えるいい時期だと思います。

 

 

触媒劣化をそのまま乗るデメリット

  • 触媒の後ろについているタイコにHCが付着して劣化
  • 触媒の中の通路が開いている場合は排気圧力が下がり出力と燃費悪化
  • 排気ガスの臭いが強いので気分が悪くなる

 

 

リプロでチェックランプを消す

リプロはコンピューターのアップデートです。

O2センサーの信号電圧の閾値が標準で厳しい設定になっている車があり、リプロの対象車は閾値の電圧変化の回数を変えます。

 

A/Fセンサーに対してのO2センサーの数値を見ますが、速度が50km前後でアクセル一定の時にO2センサーの電圧は0.75~0.78V付近で安定してます。

 

劣化してくると0.7~0.8Vを繰り返します。

さらに劣化すると0.6~0.8Vを繰り返します。

 

リプロではこの範囲を広げて警告灯が点灯しにくくします。

しかし自由に範囲を変えれるわけではありませんので、本当に劣化している触媒はリプロをしても警告灯がついてしまいます。

 

 

車検に通す為に触媒を洗浄する

触媒を洗浄する商品も売られていますが、ガソリンタンクに混ぜる添加剤が多く、洗浄されているのかはわかりませんが、車検で測定するCOとHCの数値は下がります。

 

しかし、その添加剤が混ざったガソリンがなくなるとCOとHCの数値は元に戻ります。

直接洗浄しなければあまり効果がないようですが、そもそも内部のセラミックスの隙間が大きくなっているような劣化では洗浄しても変わりません。

※触媒内部の画像

 

 

O2センサー故障か判断する方法

排気ガスの臭いが強ければ触媒劣化で間違いないです。

O2センサーが故障すると、アクセルを強く踏んで急加速する時に息継ぎが発生します。

酸素の量とガソリンの量が適量にすることができないので、このような症状になります。

しかし、触媒劣化の故障コードがでていないのに息継ぎする場合はエアーの吸い込みやスパークプラグの失火も考えられるので、診断機は必ず確認して下さい。

 

なお、診断機があるようでしたらA/FセンサーとO2センサーのグラフを表示させて比較することで本当に触媒が劣化しているかがわかります。

A/Fセンサーは触媒前について酸素量を測定しています。

 

O2センサーは触媒後ろについて酸素量を測定しています。

ですので触媒を通過した後はCO、HC、NOxを酸化するのでO2が減っているのが正常です。

 

下のグラフの上がA/Fセンサー(触媒前)、下がO2センサー(触媒後ろ)です。

このように前後のセンサーが同じような酸素量を示す場合は触媒が機能していないと判断できます。

O2センサーが故障すると、どちらか片寄った電圧が発生するので、下の波形はずっと上限になるかずっと下限なるかのどちらかです。

 

O2センサーの故障ではなく触媒の故障でしたら、エンジンもオイル下がりやオイル上がりが発生している可能性があります。

触媒が故障した時は修理費用と買取り費用を比較して「直す」か「売る」か、じっくり考えた方がよい時期だと思います。

 

高く売れる事が多いカーセンサー買取りもおすすめです。

下記ページを参考にして下さい。

 

 

 

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