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エンジンがかからない症状
キーレスでロックを解除して車内に乗り込みブレーキペダルを踏みエンジンをかけようと思ってプッシュスタートスイッチを押すとメーターの鍵マークが点滅してエンジンが、かからない。
何も反応しない時もあれば、ガガガと変な音がしてエンジンがかからない場合もある。
何度か繰り返すとかかる。スズキ、ソリオ、平成23年。
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エンジンがかからない原因を探る
まず最初にシフトレバーの位置を確認する。
シフトレバーはP(パーキング)かN(ニュートラル)の位置になければエンジンはかからない。
始動不良の1つが坂道などに停車した後パーキングに入れると、車は少し下がるのでシフトレバーの位置がPから若干ずれて感知しなくなるケースが多々ある。
キーをONにしてブレーキを踏み、シフトレバーをPやNに入れたり、押したり引いたりしてプッシュスタートを押すがかからない。
シフトレバーが原因ではなかった。
スマートキーの電池を交換
鍵マークが点滅しているので、まずは基本的なスマートキーの電池切れを疑い交換してみるが、変わらない。
ちなみにスマートキーの電池がなくなってかからない時の対処法は、スマートキー本体でプッシュスタートボタンを押すとエンジンがかかる。
かからない時はキーマークが点滅するのでキーの存在は感知しているので、スマートキーの故障ではなさそう。
エンジンがかかる時は決まってハンドルが少し右に動いてから「キュルキュルキュル」といってセルが回転する。
そもそも鍵マークは何をお知らせしているのか?
イモビライザーシステムの異常
鍵マークはイモビライザーの警告灯。
下図の黄色い鍵マークがイモビライザーの警告灯。
イモビライザーとは盗難防止システムのことで、登録されている鍵でなければエンジンがかからないようになっている。
イモビライザーは車の盗難防止に関わる箇所の異常を感知するとエンジンをかからなくする。
そうなるとイモビライザーシステムが怪しいが、まずは基本から点検する。
バッテリーの確認は基本中の基本
バッテリーテスターで基本電圧と降下電圧を測定する。
正常。
バッテリーに異常はないのでイモビライザーの整備資料を確認する。
ステアリングロックユニットのリコール
整備資料を見るとイモビライザーシステムの1つにステアリングロックが含まれていた。
かかる時はガガガと言った音とハンドルが左右に揺れてからエンジンがかかるので関係があるのかもしれない。
スズキの資料を見ると電動ステアリングロックユニットのリコールが出ていた。
民間工場だと有料修理になってしまう場合があるが、ディーラーで車検をやっていると、車検時にリコール修理もやってくれるので便利。それにしてもディーラー車検は高い。
スキャンツールをOBDⅡに繋いで見てみるとステアリングロックに異常があった。
ステアリングロックの仕組み
ソリオはエンジンをかける前の準備としてステアリングロックを解除してからセルモーターを回す仕組み。
※スキャンツールは車の故障診断機
※OBDⅡは車の異常などを発信する出力コネクター。
2025年からOBD車検と言って車検でOBDⅡの点検が必要になる
エンジンがかからない時の対策
ステアリングロックはステアリングシャフトについており、エンジンを切るとステアリングシャフトの溝に埋まるようにステアリングロックのピストンが出て盗難防止作動のハンドルロックがかかる。
ステアリングロックのピストンがグリスで潤滑してあるのが、内部に浸透して回路が遮断してしまっていた。
わずかな振動でうまく接触すればエンジンがかかることもあるので、エンジンがかからない時は何度も何度もスタートスイッチを押すか、ハンドルを軽く左右に回すなど振動を与えると良い。
故障の前兆は異音
この故障には前兆があり、スタートスイッチを押してセルモーターが回る前にスピードメーター付近でガガガやカチャカチャといった異音がする事がある。
電動ステアリングロック内部が接触不良によってロッドが出たり入ったりを繰り返している音。
この症状が1度出ると近いうちに完全にかからなくなるので、早めに修理してもらった方がよい。
原因は何であれリコールなのだが普通の故障でも整備内容は同じ。
請求先がメーカーになるか個人になるかの違い。
ステアリングロックの交換の注意点
セキュリティ関連部品なので、作業は意外と大変。
しかも取り付けボルトの頭は締め付けが終わると折れてしまう構造なので、1度取り付けると簡単には取り外せなくなる。
上の画像にあるステアリングシャフトの中央に穴が開いているのが見える。
そこにステアリングロックが付き、ロッドを押し上げるとハンドルが左右に動かなくなる仕組み。
盗難防止策なのだが、この故障では持ち主ですら乗れなくなる。
取り付け時はスパイラルケーブルに注意する。
これはハンドルと一緒に回るが中に配線が入っているので左右に2回転半しか回らない。
それ以上回すと中で断線する。
上の画像の黄色の配線が出ているのがスパイラルケーブル。
下の画像は半周回転した状態。
例えば左に半周回して、戻すときに右に半周させてカプラーを上部に持ってくるように戻せばいいのだが、逆に、さらに左に回してカプラーを上部の位置にすると、見た目は元通りだが、実際には右に3回転半、左に1回転半しか回らず、回る回数に差が出て、左に全力でハンドルを回転させると中で断線する。
上手に説明できず申し訳ないが、ハンドルを外した後はスパイラルケーブルを絶対に回さなければ問題ない。
ということ。
ちなみにガガガ音でエンジンがかからない症状はハスラーの異音ページでも説明しているが、バッテリーが弱っていてもガガガやガチガチガチといった音がしてかからないので注意が必要。
ソリオのエンジンがかからない原因と修理費用まとめ
平成23年式 型式MA15S 走行80000KM | |
メーカー 車種 | スズキ ソリオ |
症状 | キーマーク点滅&エンジンかからない |
音 | カチャカチャ ガガガ |
臭い | なし |
振動 | ハンドルの揺れ |
原因 | 部品構造不良 |
作業内容 | バッテリーのマイナス端子を外して20分放置。ハンドルのエアバックを外してハンドル、コラムカバー、スピードメーターを順番に外す。ステアリングロックユニットが見えるので上のボルト2本をハンマーで叩いて緩めて交換する。 |
作業難易度 | [star rating = "4"]難しい 素人では難しい |
修理代 | リコールなので0円 |
後の支障 | なし |
車買替レベル | [star rating = "1"]不要 他に影響出さない軽い故障なのと修理代がかからないので買い替えの必要はない。
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