エンジンからヒューンという大きな音がしてエンストした。
その後、エンジンがかかってもガクガクして止まってしまう。
アクセルを踏むとエンストはしないが吹け上がりも悪く時々ヒューンという音がする。
H25 ニッサンノート E12 10万km
異音とエンストの原因と修理費用を調べたのでご紹介する。
ゴー音の場合はノートのハブベアリング交換費用のページを参考にしてほしい。
目次
P0171リーン異常でエンジンが吹け上がらない
まず最初にスキャンツールで故障コードを見る。
「P0171」のリーン異常が出ている。
リーン異常とは排気ガス中の酸素量が基準以上という事。
排気ガスは炭化水素系のガソリンが燃焼(酸化)したガスなので酸素は少ない。
しかしこのノートは酸素が多いと診断されている。
これはマフラーついているO2センサで測定し、コンピュータに送った結果。
リーン異常でエンジンが吹け上がらないのはよくあるが、エンストするほどのリーン異常はなにか?
排気ガスに酸素が多い原因
エンジンはガソリンと空気を混合させて火をつけて燃焼させ動かしている。
その吸入空気量が多いと空気中の酸素が燃焼しきれずにマフラーに流れていく。
上図だと青丸の流れが空気量。この量が多いとエンジンで燃えきらずにO2センサまで流れて酸素が検出される。
以上のことから吸入空気量が多くしている部品が原因で酸素が多くなる。
エンストする吸入空気量は?
エンジンは吸入空気量が適切でないとエンストしてしまう。
アイドリング時の吸入空気量はISCバルブで自動調整されている。
ノートはスロットルバルブがISCバルブも兼ねている。
アクセルを踏むとスロットルバルブを開いて吸入空気量を強制的に増やすのでエンジン回転数が上がる。
このノートはアイドリングでアクセルを踏まないとエンストしてしまうのでISCバルブの故障を疑って、スキャンツールで吸入空気量とスロットルバルブの数値で開き具合をみてみる。
吸入空気量正常値 | 2.68g/s |
測定値 | 4.12g/s |
この測定値だと、エンジン回転数は2500rpm以上になるはず。
スロットルバルブ正常値 | 0.77V |
測定値 | 0.90V |
スロットルバルブの電圧を見ると若干開いているのがわかるが、アイドリングを保つためにスロットルバルブは正常より少し開いている。
それでもこの吸入空気量は正常値の倍近く、多すぎる。
ガソリン噴射量はどうなのか?
燃料噴射量正常値 | 2.9ms |
測定値 | 3.9mns |
吸入空気量も多いが、それに伴って燃料噴射量も多いので通常だったらリーン気味にはなるが、回転数が上がりエンストはしない。
考えられるのは吸入空気センサ(エアフローセンサ)が装着されている箇所とは別の箇所から更に空気が入ってきている。
スーパーチャージャーダクトから異音
- アクセルを踏むとヒューンという大きな音
- 吸入空気量と燃料が多いが回転が低くリーン異常
この2つから予想できるのは空気の吸い込み異常。
そして大きな音がするとなると高い空気圧力を出すスーパーチャージャー関連が怪しい。
スーパーチャージャーを見るとスーパーチャージャーダクトが切れていた。
切れていた場所はエアークリーナーの左した。画像でいうとブレーキフルードタンクの右下辺りを見ると切れているのがわかる。
取り外した画像。このようにスーパーチャージャー出口側(出力側)で切れていた。
スーパーチャージャーダクト交換方法
ダクト本体は10mmのボルトでタイミングチェーンカバーに固定されている。(ボルトはクランクプーリー左下1つのみ)
上側のエアークリーナー下はピンで止まっているので、ピンをずらすだけでホースが抜ける。
中央のピンもずらして抜けばダクトが短く分解できて、交換が簡単になる。
下側はゴムホースがついているので8mmのボルトを緩めてホースからダクトを抜き取る。
以上を取り外すだけで、スペースは狭いがダクトを上下、左右、前後など色々な位置にずらせば、外れる。
取付もダクトを2分割してタイミングチェーンの横を下から上に移動させれば簡単に付く。
スーパーチャージャーダクト交換費用
スーパーチャージャーダクト | 14,000円 |
交換費用 | 7,000円 |
コンピューターリセット | 3,000円 |
合計 | 24,000円 |
上記の他に故障診断料金が発生する場合もある。