ヴィッツの警告灯がついてエンジンが止まりそう【確実な故障探求】

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アイドリングでエンジンがガタガタ振動して止まりそう。

アクセルを踏んでも吹け上がりに時間がかかる。そして排気ガスも臭い。車検の排気ガス検査は厳しいので車検は通らないレベル。

H24 ヴィッツ NSP130 10万km

エンジン警告灯がついているので診断機で故障コードを見れば故障の関連箇所がわかる。

ヴィッツはエアフロセンサーかプラグ、コイルといった点火系の故障が多いので、そこから点検するのも効率を考えると良いと思う。

 

実際に、この車はスパークプラグの故障が原因だったが10年10万kmを超えると他の故障も併発し「スパークプラグを変えたのに、まだ調子が悪い」といったクレームも多々あるのも事実。

今回は日本自動車整備振興会の整備マニュアルに沿って故障診断を進めて正確に故障箇所を追及する方法を解説する。

乗られている方は整備の解説は不要かと思うので、ページ最後の修理費用を参考にしてほしい。

 

 

エンジン警告灯が付いてアイドリング不調する箇所

スパークプラグが故障する症状と警告灯がつく仕組み

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スパークプラグは先端から火花を出し、ガソリンに点火させてエンジン燃焼室で爆発する。

火花が小さかったり、火花が出なければ爆発しない、もしくは爆発が小さいので、ガタガタ振動したり回転数がばらつき、アイドリングが不調になる。

 

そして、アクセルを踏んでも加速しない。

失火、クランクポジション、排気ガス濃度などの異常を検知するのでエンジン警告灯も点灯する。

 

イグニションコイルの故障で警告灯がつく仕組み

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こちらもスパークプラグと同じで火花が出ない、リークしてタイミングがずれるなど、点火系の不具合が発生する。

スパークプラグもイグニションコイルも単体で故障診断回路が備わっていないため、クランクポジションセンサの回転数変化で異常箇所の気筒を特定して失火の故障コードを検知してエンジン警告灯を点灯させる。

 

症状はスパークプラグの故障と似ている。

イグニッションコイルの劣化具合を知るには「セレナのイグニッションコイル劣化の見分け方」を参考にしてほしい。

 

 

 

エンジン警告灯が付かずにアイドリング不調する箇所

スロットルボディの故障

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スロットルボディはアクセルを踏むとバルブが開き回転数をあげる。

アイドリングでは安定する回転数になるようにDCモータによって自動で開閉する。

 

その動きが悪くなるとアイドリング不調になるが、原因は様々。

汚れで開閉動作が遅れたり、隙間が開いたりすれば回転数がばらつく。

 

現在の開閉角度信号が異常になっても自動開閉調整がおかしくなり、アイドリングが低くなったりする。

開閉は正常時も常に動いており、どの位置になることもあるので電圧異常でない限り異常の検知はできなく、警告灯は点灯しない。

 

 

エアフロセンサーの故障

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エンジンの燃焼室に入る空気量を測定してコンピュータにフィードバックするセンサ。

ヴィッツは1秒間に何gの空気か測定している。

 

フィードバックを受けたコンピュータは空気量にあった燃料噴射量を決め、インジェクターに噴射時間を決定する信号を送る。

温度によって空気密度がかわるので温度センサ内蔵されている。

 

例えば、空気量を実際より少なく判定してしまうような特性異常があると、燃料噴射を減らしてしまうため、燃料が薄くなりエンジン回転が低くなり、アクセルを踏むと息継ぎする。

 

 

 

エンジンが止まりそうになる故障箇所

エアフロセンサー

空気量をコンピュータに送っているエアフロセンサが故障すれば、正確な空気がわからず、燃料が濃くなったり、薄くなったりする。

燃料が濃くなるとアクセルを踏んでもエンジンの吹け上がりが遅くなるのが特徴。

 

燃料が薄くなるとアクセルを踏むとエンジンが止まりそうになるまで回転が低くなるのが特徴。

ヴィッツは、よく「息継ぎする」といった言葉を聞くが、そういった症状はエアフロセンサの特性異常の可能性が高い。

 

エアフロセンサーは「スペーシアのエンジン警告灯の原因」ページで詳しく解説している。

エアフロセンサの特性はどのメーカーもほとんど同じなので参考になると思う。

 

 

 

加速不良をする故障箇所

  1. エアフロセンサ
  2. スパークプラグ
  3. イグニションコイル
  4. O2センサ

エアフロセンサ、スパークプラグ、イグニションコイルは上で解説したような症状が現れて「アクセルを踏んでも加速しない」や「エンストしそうになる」といった症状がある。

O2センサーは排気ガスの酸素濃度を測定してコンピュータにフィードバックしている。

 

排気ガスの酸素が多ければ、ガソリンと空気が燃焼しても空気量が余ったという事。

という事は燃料より空気量が多いのでアクセルペダルを踏んでバルブを開くと更に空気が流入するので、燃焼室の爆発が弱くなりエンジン出力が低い状態で車を動かさなければならない。

 

02センサーが異常の時は、このような状態になるのでアクセルを踏んでも加速はせず、もたついた感じになる。

これはエアフロセンサの特性異常の時の症状と、とても似ている。

 

今回のヴィッツは加速が悪いのと、エンジン警告灯が点灯しているので、スパークプラグかイグニションコイルの可能性が高い。

診断機で故障コードを見てみると、P0304が出ていた。

 

 

故障コードP0304は4番シリンダ失火

このヴィッツの警告灯がついた原因は4番シリンダの失火。

1つのシリンダだけ失火しているので、アイドリングも不調で加速も悪い。

 

複数のシリンダで失火すると、エンストしてエンジンがかからなくなる。

P0304の故障コードについて解説する。

 

 

P0304が検出される条件

失火はクランクポジションセンサから発生する電圧波形の閾値を超えると失火を判断する。

出典: 整備マニュアル

クランクポジションセンサは上の図のようにエンジン全面のクランクプーリ付近にある歯車のついたローターの段差をカウントし、1番シリンダから4番シリンダまでの点火時期を把握している。

失火すると爆発しないので回転スピードが落ちる。なので失火している気筒の点火時期前後のスピードが遅れる。

 

そうなると、失火している4番シリンダの点火時期前後の点火信号波形の乱れを検知して4番シリンダの失火としてP0304を出力する。

出典: 整備マニュアル

上の図はクランクポジション波形。オシロスコープで信号電圧を測ると点火と失火でこのような差が出る。

そこで、このような波形になる理由を探す。

 

 

P0304失火波形になる故障箇所

  • スパークプラグ
  • インジェクター
  • イグニションコイル
  • エアフロセンサー
  • フューエルポンプ
  • バルブタイミング
  • 圧縮不良
  • PCV
  • EGR

これらの系統が故障するとP0304のコードを検知するが、この中でも故障すると複数の故障コードを検知する箇所がある。

P0304は4番失火といった、かなり限定された故障コード。

 

4番シリンダのみに関連する箇所に絞って故障探求していくと早い。

まずはP0304だけを調べれば良いのかを、確認するため、1度故障コードを消去して再度、故障コードを読みとってみると、やはりP0304しかコードは出ていないので、4番シリンダに関係する項目だけに絞って考える。

 

 

4番シリンダ関連を点検する

先ほどの関連個所で、全体のシリンダではなく1つのシリンダにだけ関係する故障個所をピックアップすると

  1. 圧縮不良
  2. インジェクター
  3. イグニションコイル
  4. スパークプラグ

この4つになる。この中でも失火の定番といえばスパークプラグとイグニッションコイル。

故障診断する前にいきなりこの2つを交換してしまってもいいほど故障が多い箇所。

しかもこの2つは目視点検も簡単なので最初に点検しても無駄な時間にはならないが、とりあえず1番から順番に解説する。

 

圧縮不良の簡単な点検方法

エンジンはシリンダ内でピストンを上昇させ空気とガソリンを圧縮させてから点火し、爆発させることでピストンを下降させる。

その上下運動を回転に変えてエンジンを回転させている。

 

圧縮不良があるシリンダは爆発する力が発生しないので回転が遅くなり、クランクポジションセンサの波形が乱れて失火を検出する。

※クランキング時は最初の0.5秒ほど爆発させずに回転させるだけなので、圧縮不良のあるシリンダは抵抗が減り回転が早くなる。

 

圧縮不良の確認は診断機があればとても簡単なので、最初に点検しても良い。

エンジンECUのデータモニタの「気筒停止エンジン回転数」の項目を見て圧縮不良を判断する。

 

圧縮不良判定の仕組み

各シリンダのクランキング時の回転速度を計り、圧縮抜けを判断する。

圧縮抜けがあるシリンダは上昇抵抗が減るので回転速度が早くなる。

 

回転数が高いシリンダの圧縮不良を疑うが、1つのピストンは他のピストンの回転にも影響を与えるため、回転数が高いシリンダがあった場合、全部のシリンダをコンプレッションゲージを使って測定する。

このクランキング時の回転速度はデータモニタの「気筒停止エンジン回転数」の全てのシリンダを確認する。

基準値51199rpm
測定値51199rpm

このヴィッツは4つのシリンダ全て同じ数値だったので、圧縮は正常。

次の点検は燃料噴射装置のインジェクタだが、あまり故障しないのと、点検が少し大変なので、こちらはオシロスコープの波形だけで判断する。

 

インジェクタの簡単な点検方法

下の図はヴィッツの整備マニュアルの1部だがB11が4番シリンダのインジェクタ。ここを点検する。

出典: 整備マニュアル

上の回路図の「B11の1」インジェクタのマイナス駆動回路の電圧をオシロスコープで測定する。下が一般的な波形。

出典: 整備マニュアル

下は現車の波形。上の図と同じようにインジェクタがOFFになった時に逆起電力によって高電圧が発生しているので回路は正常。

噴霧状態や後垂れなど機械的な作動点検は少し手間なので他を点検して燃料系が怪しいと思った時に点検するが、オシロスコープを見る限り作動も正常に思える。

オシロスコープの波形を見ると、インジェクタのコイル駆動停止によって磁気エネルギーが電気エネルギーに変換されて逆起電力120V発生している。

 

この電圧はインジェクタのバルブを強く閉じる力に変わるため、後垂れも発生しにくい。

次はもっとも故障の可能性がある、イグニションコイルとスパークプラグの点検。

 

 

イグニションコイルの簡単な点検方法

目視で点検する。リークしていると、溶けて変形していたり、白く焦げ跡が残っている。

下の画像はヴィッツではないが参考になるので見てほしい。

画像の下のコイルは溶けている。このようにまずは目視で点検する。

このヴィッツはリーク跡はないので、イグニションコイルのメイン電圧、アース、信号電圧を点検する。

メイン電圧、アースは正常。信号電圧は4番シリンダと3番シリンダをオシロスコープで比較して電圧とタイミングを見る。

黄色が4番のコイル、青色が3番のコイル。

電圧とタイミングがどちらも同じなのでイグニションコイルは正常。

信号電圧を送っているエンジンコンピューターと配線も正常と判断できる。

イグニッションコイルがリークしている時の吸入空気量の特徴も参考にしてほしい

 

スパークプラグの簡単な点検方法

スパークプラグは目視で電極磨耗と端子などのリーク跡を見て、問題なければ、エンジンから取り外してイグニションコイルと繋ぎ、実際に火花が飛ぶかチェックする。

下の画像はサンプル画像だが、このように点検する。

プラグの先端をアースに近付けなければ、イグニションコイルが故障することもあるので、点検は慎重に行う。

なお、この点検は2秒以内で、なおかつ燃料ポンプのリレーもしくはヒューズを抜いてガソリンが出ないようにする。

 

しかし、このヴィッツはスパークプラグを目視しただけで不良と判断できるほど、電極付近が溶けていた。

スパークプラグが原因でなくても交換しなければ普通に乗ることはできないほど。

 

 

 

スパークプラグとイグニッションコイルの交換費用

結局は目視点検でスパークプラグの故障が分かったが、他も点検することで、スパークプラグ以外の故障がないことが判明し、より正確な修理見積もりが可能になった。

スパークプラグの交換だけでも直るが、スパークプラグが故障するとイグニッションコイルにもダメージが残るので、見積もりは両方とも出したほうが良い。

 

よくあるトラブルが、「スパークプラグだけ交換して納車した後、1か月後にイグニッションコイルが故障」

こうした追加故障は作業ミスを疑われることもあるので、修理後の説明は大事。

スパークプラグ2000円×4本
イグニッションコイル7000円×4本
工賃3000円
故障診断料金3000円
合計42000円

 

 

 

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