車検を知る8 サイドスリップの検査調整をしないとタイヤの減りが早くなる

サイドスリップと言った言葉を聞いた事がある人はいますか?

 

 多くの人は知らないと思います。

 

車検では必ずチェックする項目になっていますが、車検請求書の内訳にサイドスリップ検査とは書かれていません。

 

サイドスリップの請求書項目

保安基準適合検査といった項目で、ヘッドライト検査やブレーキ検査などと一緒の検査項目。「テスター費用」や「完成検査費用」とも書かれている。

保安基準適合検査に含まれるとなると、重要な感じがしてくると思います。

実際にサイドスリップは自動車を直進状態で走行させるに重要な役割があります。

サイドスリップについて調べましたので、ご紹介します。

 

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車検のサイドスリップ検査とは角度測定

サイドスリップとは

前進してタイヤが転がる時に「外側に押し出す力がかかる」「内側に押し出す力がかかる」の、横滑りを測定するのがサイドスリップ検査です。サイドにどれだけスリップするかと言った意味です。

どちらにも力がかからないのが理想の状態です。

測定方法は色々ありますが車検では路面に左右に動くプレート(サイドスリップテスター)を置き、その上を通過してプレートの移動した長さを測ります。車検では内側外側ともに5mm以上プレートが動くと車検に通りません。

 タイヤが外側や内側に押し出す力はタイヤの角度によって変わります。

 

基本的にタイヤは直進方向にまっすぐ向いていますが、タイヤの前側を少しだけ内側に向けると直進安定性が上がります。

タイヤの向きをトーイン、トーアウトと言います。

タイヤの向き

  • トーイン: タイヤの前が内側に向いている状態
  • トーアウト: タイヤの前が外側を向いている状態

トーイン

トーイン状態、上が車両左前側

 

トーアウト

トーアウト状態

 

上の画像は分かりやすくするために大袈裟にトー角をつけています。

 

 実際は目で見てもわかりません。

 

ほんの少しだけトーイン側に調整すると、タイヤが車の中心に向かう形になるので、直進安定性が上がりオススメです。

トーアウトですと、少しふらつく感じになりますが、カーブを走る時はしっかり曲がります。

 

 

 

サイドスリップ検査で基準値を越える原因

タイヤと連結されている部品(足回り部品)に異常が発生するとタイヤの向きが変わりサイドスリップ量が大きくなります。

主に段差に乗り上げたり、タイヤや下回りを障害物に強くぶつけると足回り部品が変形します。

タイヤと連結されている部品

  1. ロアアーム
  2. ナックルアーム
  3. タイロッド
  4. ショックアブソーバー

上の4つの部品は本体の変形とブッシュの切れ、潰れによってサイドスリップの量は増えます。

本体の変形は衝撃を与えなければ発生しませんが、部品の繋ぎ目のブッシュはゴムで出来ているため、経年劣化で潰れたり切れたりして、隙間が発生してタイヤの角度が変わります。

ロアアーム

 ブッシュ類を新品に交換すればいいのですが、車検では明らかに切れていたりしていなければ判断できません。

 

調整で基準値にもってこれるようなら調整します。

調整しきれない場合はブッシュもしくは部品本体を交換するかありません。

 

 

 

実は簡単なサイドスリップ調整

 Aタイロッドエンド Bタイロッド

サイドスリップ調整

タイロッドの長さを伸ばすか短くするかで、タイヤの向きを変えると、サイドスリップ量が変化します。

場所は前輪の左右のタイヤ付近です。

両方とも均等な長さにしないとハンドルが曲がってしまいます。

上の図のBを回して長さを調整します。

左右とも1回転させるとサイドスリップ量が10mm以上変わるので、調整は1回転前後で十分だと思います。

簡単な調整手順

1、ハンドルを右いっぱいに回す。

2、助手席側のタイヤ後ろにタイロッド見える

サイドスリップ調整

3、図AとBの間のナットを緩める(向かって時計回り)

サイドスリップ調整

4、タイロッドを回して調整する。

サイドスリップ調整

 

以上です。最後に最初に緩めたナットを締めて完成です。

 

 右も同じですが、必ず左右均等に回転させて伸び縮みさせて下さい。

 

タイロッドを長くするとトーインになり、短くするとトーアウトになります。

タイロッドのネジ山を見るとどちらに回すと長くなるかわかります。

ネジ山

上の画像を見るとネジ山を下から上になぞると左に行くのが分かると思います。

その回転と同じように回すと同じ方向にタイロッドが移動していきます。

 

ハンドルセンターも調整可能

直進していてもハンドルが右や左に曲がっている場合も、タイロッドの調整で直すことができます。

逆にサイドスリップ調整をしてハンドルのセンターがずれることもあるので、気をつけて下さい。

ハンドルセンター出し方

例)ハンドルが左に曲がっている場合

(ハンドルをセンターで走行すると右に曲がってしまう)

左のタイロッドを短くして右のタイロッドを長くします。

  1. 左のタイロッドを1回転短くする
  2. 右のタイロッドを1回転長くする

その後、走行してまだ足りないようならもう一度同じ作業をする。

逆にハンドルが曲がった場合、曲がり具合を確認しながら

  1. 左のタイロッドを半回転もしくは1/4回転長くする
  2. 右のタイロッドを半回転もしくは1/4回転短くする

 この作業を繰り返していくとハンドルセンターが出ます。

 

 

 

タイヤの減りが早い時はサイドスリップ検査!

トーイン

この状態で走るとタイヤの外側が擦れて磨耗が早くなるのは何となく想像できるのではないでしょうか。

 

 その通りです。

 

まっすぐなタイヤでしたら綺麗な回転をするので、磨耗は少ないですが、サイドスリップ量が基準値以上ですとタイヤが曲がっているということなので、常に横滑りしながら走ってる状態です。

これではタイヤの減りが早いのは当たり前です。

その他のタイヤが早く磨耗する原因をご紹介します。

 

タイヤの減りが早い原因
  1. 空気圧が低い
  2. 重たい荷物を乗せている
  3. ハンドルの切り返しが多い運転

上記の乗り方はタイヤの磨耗を早めるので、改善してみてください。

それでも磨耗する場合は、サイドスリップの調整で改善すると思います。

 タイヤの溝やヒビワレ限度も参考にして下さい

 

ローダウンした時もサイドスリップ検査が必要

 ローダウンは最低地上高にも注意して下さい

 

ローダウンとサイドスリップの関係

ローダウンは自動車のショックスプリングを短くして車高を下げる事を言います。自動車の正面から見ると標準状態と比べるとタイヤがハの字になります。キャンバーがついた状態です。ハの字になるとタイヤは外側に押される力が発生し、サイドスリップ検査ではトーインと同じ結果になります。

またタイロッドはフレームとタイヤを繋いでいるので、ローダウンするとタイロッドがタイヤを下に引っ張ります。そうなるとタイロッドが短くなった状態と同じでトーアウトになります。

 ローダウンしたら必ずサイドスリップを検査しましょう。

 

事故車の修復などでなければ4輪アライメントまでする必要はありません。

そもそも4輪アライメントは測定はできますが、調整はほとんど出来ません。

改造車でしたら調整出来ますが、普通の車で4輪アライメントがおかしい場合、どこかの部品が故障や変形をしているので、そこを直す必要があります。

 

 

 

サイドスリップの検査調整できるお店

調整は簡単なので整備士でなくても出来ますが、サイドスリップ測定はテスターがないと難しいです。

サイドスリップ測定の理屈

キャンバーといったタイヤと接地面の角度もサイドスリップには関係してきますが、トー角だけで考えると、理屈は簡単で、

  1. 前輪タイヤ2本の前側の幅を図る
  2. 前輪タイヤ2本の後側の幅を図る

この数値の差で前が長ければトーアウト、後ろが長ければトーインになります。

どうしてもご自分で測定するならツーバイフォーの2m位の木材を使ってタイヤ前後に印をつけて長さを比べてみるのが簡単ですが、数ミリのズレを難しいでしょう。

専用の測定機もネットなら1万円程度で購入出来るので、1度見てみて下さい。

 

 実はサイドスリップ検査調整の専門工場があります。

 

予備検査場やテスター屋と呼ばれている工場ですが、陸運支局の近くにあります。

車検の予約はいつからのページで全国の予備検査場をご紹介しているので、ご確認下さい。

 

 

サイドスリップ検査調整費用

サイドスリップを調整できる工場は車の保安基準検査をいくつか点検出来ます。

テスター屋で出来る事
  • サイドスリップ調整 2000円
  • ブレーキ測定 1500円
  • スピードメーター測定 1000円
  • 排気ガス測定 1000円
  • ヘッドライト調整 2000円

これらは整備事業者向けの金額です。

個人でもこの金額で受けてくれる工場はありますが、個人だと倍近く費用になる場合もあります。

 

 車検では必ずサイドスリップ検査をします。

 

サイドスリップが基準値を越えた場合、車検には通りません。

車検満了日が近くて、タイヤがすり減っているようでしたら車検に出すだけでサイドスリップは基準値に調整されます。

 

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